令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問11を解説|メタン発酵法の特徴
令和6年度 水質関係技術特論 問11は、活性汚泥法と比較したときのメタン発酵法の特徴に関する問題です。四つの正しい特徴に紛れた、最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
メタン発酵法は酸素を送り込まない嫌気性の処理で、曝気を必要とする活性汚泥法と対比して覚えるのが基本です。嫌気性の菌は増殖がゆっくりで、余剰汚泥が少なく、曝気動力が要らないぶん所要動力も小さい。そのかわり反応が遅く、水理学的滞留時間は長くなります。引っかけの核心は臭気で、メタン発酵では硫化水素などの還元性ガスが出やすく、臭気が「少ない」とはいえません。ここを長所のように書いて選ばせる作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 嫌気性の菌は増殖速度が小さく、活性汚泥法より菌の立ち上がりが遅い点は正しい特徴です。 |
| (2) | ○(正しい) | 反応が遅いため、活性汚泥法より水理学的滞留時間は長くなります。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 嫌気性処理では硫化水素などの臭気が出やすく、臭気の発生が少ないとはいえません。最も不適切です。 |
| (4) | ○(正しい) | 菌の増殖が遅いぶん余剰汚泥の発生量が少ない点は、嫌気性処理の長所です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 曝気を必要としないため、活性汚泥法より所要動力が少なくなります。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
メタン発酵は酸素のない環境で進むため、硫酸塩などが還元されて硫化水素が生じやすく、独特の臭気を伴います。選択肢(3)は、この処理を臭気の発生が少ない方法として掲げている点が誤りです。曝気で酸化的に進む活性汚泥法と混同すると、臭気が抑えられているように見えてしまいます。実際には嫌気性処理では脱臭対策が課題になりやすく、臭気は「少ない」どころか注意すべき短所にあたります。増殖が遅い・滞留時間が長い・余剰汚泥が少ない・動力が小さいという他の四つは、いずれも嫌気性らしい正しい特徴です。
覚え方
- メタン発酵は嫌気性、臭気(硫化水素)は出やすい短所。
- 増殖が遅く滞留時間は長い、その代わり余剰汚泥は少ない。
- 曝気が要らないので所要動力は小さい。
- 活性汚泥法との対比で長所・短所を整理する。
理解度チェック
Q.
メタン発酵法で発生しやすく、臭気の原因になるガスは?
硫化水素などの還元性ガスです。臭気が少ないという記述は誤りです。
Q.
余剰汚泥の発生量は活性汚泥法とメタン発酵法のどちらが少ない?
メタン発酵法です。菌の増殖が遅いため余剰汚泥が少なくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月