令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問7を解説|汚泥の処分と有効利用
令和6年度 水質関係技術特論 問7は、汚泥の処分と有効利用に関する問題です。りんの回収、コンポスト、肥料利用、建設資材利用、炭化などの記述のうち、最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
汚泥は単に捨てるものではなく、りんの回収、肥料、建設資材、燃料など様々に活かされます。押さえどころは、それぞれの利用法と結び付く技術の名前が正しく対応しているかです。分かれ目は、りんに関する技術の役割の取り違えです。排水からりんを取り除いて汚泥側に移す技術と、汚泥に含まれるりんを取り出して資源として回収する技術は目的が違います。この二つを同じものとして述べた記述に注意します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 生物学的脱りん法は排水からりんを除く方法であり、汚泥からりんを回収する方法とするのは不適切です。 |
| (2) | ○(正しい) | 汚泥発酵(コンポスト)は易分解性有機物を好気的に分解し、利用可能な形に安定化する処理で正しい説明です。 |
| (3) | ○(正しい) | 汚泥を肥料に使う場合、水銀やカドミウムなど有害成分の許容量に留意する必要があります。 |
| (4) | ○(正しい) | セメント原料や土壌改良材、路盤材など、建設資材への利活用が行われています。 |
| (5) | ○(正しい) | 炭化汚泥は木炭に似た特性を持ち、石炭の代替燃料として利用できます。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
選択肢(1)は、汚泥からりんを回収する方法として生物学的脱りん法を挙げています。ここが役割の取り違えです。生物学的脱りん法は、微生物にりんを多く取り込ませて排水からりんを除き、汚泥の側へ移す排水処理の技術であって、汚泥に含まれるりんを取り出して資源として回収する技術ではありません。汚泥からりんそのものを回収する方法としては、りんを結晶として取り出すリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)法などが用いられます。除去と回収は目的が異なるため、生物学的脱りん法を回収法と説明する記述は最も不適切になります。
覚え方
- 生物学的脱りん法は排水からりんを除く技術。汚泥からのりん回収法ではない。
- 汚泥からのりん回収は、りんを結晶で取り出すMAP法など。除去と回収は目的が別。
- 汚泥の活用先=りん・肥料・建設資材・炭化燃料。肥料利用は有害成分の許容量に留意。
理解度チェック
生物学的脱りん法の役割は?
微生物にりんを取り込ませ、排水からりんを除いて汚泥側へ移す排水処理の技術です。汚泥からりんを回収する方法ではありません。
汚泥を肥料として使うとき注意すべき点は?
水銀やカドミウムなど有害成分の許容量に留意することです。基準を超える成分が含まれないよう管理します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月