令和5年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問20を解説|食料品製造業の排水処理
令和5年度 水質関係技術特論 問20は、食料品製造業とその排水処理に関する正誤問題です。最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
食料品製造業の排水は有機物が多く、生物処理と相性がよいのが特徴です。ビール工場でのUASB導入や、ラグーン方式による負荷変動の緩和などが問われます。引っかけの核心は糖質・有機酸とUASBの相性です。糖質や有機酸は嫌気性微生物に分解されやすい(易分解性の)成分で、UASBに適しています。これを「嫌気環境で安定なのでUASBの適用は困難」と、分解されにくいかのように述べた選択肢が不適切です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 水質汚濁防止法で、原料処理・洗浄・湯煮・脱水・ろ過などの施設が食料品製造業の特定施設に挙げられます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 食料品製造業は事業場の規模が大きく異なる業種が多いのが特徴の一つです。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ビール工場でUASBを活性汚泥法の前段に置くと、曝気動力や余剰汚泥の発生量を抑えられます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(不適切) | 糖質や有機酸は嫌気分解されやすくUASBに適します。安定で適用困難としている点が不適切です。 |
| (5) | ○(正しい) | ラグーン方式は滞留時間を長くとることで、排水の水質変動による負荷変動を緩和できます。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
清涼飲料工場の排水に多い糖質や有機酸は、嫌気性微生物に分解されやすい易分解性の成分です。UASB(上向流嫌気性汚泥床)は、こうした分解しやすい有機物を含む高濃度排水を効率よく処理できる方式で、糖質・有機酸系の排水はむしろUASBに適した対象です。選択肢(4)は「嫌気環境で安定であるためUASBの適用は困難」としていますが、安定=分解されにくい、という前提が実際と逆で不適切です。「安定」という言葉に引きずられず、糖質・有機酸は嫌気分解されやすいと押さえておきます。
覚え方
- 糖質・有機酸は嫌気分解されやすい=UASB向き。
- ビール工場はUASBを活性汚泥法の前段に置き省エネ・省汚泥。
- ラグーン方式は滞留時間を長くとり負荷変動を緩和。
- 食料品製造業の特定施設=原料処理・洗浄・湯煮・脱水・ろ過など。
理解度チェック
Q.
糖質や有機酸を多く含む排水にUASBは向く?向かない?
向きます。糖質・有機酸は嫌気分解されやすく、UASBに適した対象です。
Q.
ビール工場でUASBを活性汚泥法の前段に置く利点は?
曝気動力や余剰汚泥発生量の低減が期待できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月