令和5年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問15を解説|排水の試料採取
令和5年度 水質関係技術特論 問15は、工場排水の水質変動と試料採取(採水)に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
試料採取では、どこで・いつ・どう混ぜて採るかが問われます。排水口で採り、工程ごとに測り、操業時間を考えて採水時刻を決め、1日平均は流量比例で混合する、といった原則は素直に正しい記述です。引っかけの核心は水質変動の大小で、連続操業で大きな処理施設を経て排出されるほど、施設内で均され緩衝されるため水質変動は小さくなります。これを「大きくなる」と逆に述べた選択肢が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排水は事業所の排水口で採り、採取が困難なら同じ水質のものが採れる場所でよいとされます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 工程ごとの排水の測定が必要な場合は、それぞれの排水を採取します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 採水時刻は通常の操業時間や排水処理施設の稼動時間を考慮して決めます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 連続操業で大きな処理施設を経るほど水質変動は小さくなります。大きくなるとしている点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 流量変動があるときの1日平均は、流量に比例した混合や混合試料採取装置で採るとよいとされます。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
排水の水質変動は、通り道が大きくて滞留時間が長いほど均されて小さくなります。連続操業で大きな排水処理施設を経る場合は、時間ごとの濃淡が施設内で混ざり合い緩衝されるため、水質変動は小さくなります。逆に、不連続操業で小さな施設しか通らない場合は、そのときどきの排水がそのまま出やすく変動は大きくなります。選択肢(4)はこの対応を取り違え、大きな施設を経るほど変動が大きくなると逆向きに述べている点が誤りです。「大きな器を通すほど均される」とイメージすると方向を間違えません。
覚え方
- 大きな処理施設を長く通るほど水質変動は小さくなる。
- 不連続操業+小さな施設=変動は大きい。
- 試料は排水口で採取、困難なら同じ水質の場所でよい。
- 1日平均は流量比例の混合試料で求める。
理解度チェック
Q.
連続操業で大きな処理施設を経ると、水質変動は大きい?小さい?
小さくなります。施設内で濃淡が均され緩衝されるためです。
Q.
1日の平均水質を求めるにはどう採水する?
流量に比例した混合比率で混合試料をつくるか、混合試料採取装置で採水します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月