令和5年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問12を解説|メタン発酵法の特徴
令和5年度 水質関係技術特論 問12は、活性汚泥法と比較したメタン発酵法の一般的な特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
メタン発酵法は酸素を使わない嫌気性処理で、好気性の活性汚泥法と対比して特徴を覚えるのが定番です。高濃度排水を扱え、汚泥生成が少なく、曝気しないため所要動力が小さい一方、反応が遅く水理学的滞留時間は長くなります。引っかけの核心は臭気で、メタン発酵では硫化水素などの臭気が発生しやすく、活性汚泥法より臭気は多くなります。これを「臭気が少ない」と述べた選択肢が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | メタン発酵は高濃度の有機性排水に適し、対象排水濃度は活性汚泥法より高くとれます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 反応速度が遅いため、水理学的滞留時間は活性汚泥法より長くなります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 嫌気性微生物は増殖が緩やかで、汚泥生成率は活性汚泥法より低くなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 曝気を必要としないため、所要動力は活性汚泥法より小さくなります。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | メタン発酵では硫化水素などの臭気が発生しやすく、臭気は多くなります。臭気が少ないとしている点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
メタン発酵は嫌気性の分解過程で、たんぱく質や硫黄化合物から硫化水素などの臭気成分が生じやすい処理です。好気性の活性汚泥法では臭気は比較的抑えられますが、嫌気処理では臭気は少ないどころか発生しやすいため、脱臭対策が課題になります。選択肢(5)はこの向きを取り違え、「臭気が少ない」と長所のように述べている点が誤りです。メタン発酵の長所(高濃度対応・汚泥生成低・省動力)と短所(滞留時間が長い・臭気が出やすい)をセットで覚えておくと迷いません。
覚え方
- メタン発酵は嫌気性=硫化水素の臭気が出やすい。
- 長所:高濃度対応・汚泥生成が少ない・所要動力が小さい。
- 短所:反応が遅く水理学的滞留時間が長い。
- 活性汚泥法(好気)との対比で特徴を整理。
理解度チェック
Q.
メタン発酵法は活性汚泥法より臭気が多い?少ない?
多いです。硫化水素などの臭気が発生しやすく、脱臭対策が必要になります。
Q.
メタン発酵法の所要動力が小さいのはなぜ?
曝気を必要としないためです。嫌気性処理なので空気を送り込む動力が要りません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月