令和5年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問9を解説|曝気槽容積の計算
令和5年度 水質関係技術特論 問9は、2系統の排水を混ぜて標準活性汚泥法で処理するときの曝気槽の容積を求める計算問題です。与えられた容積負荷から必要容積を割り出します。
この問題のポイント
曝気槽の容積は「1日に入ってくるBODの量」を「容積負荷」で割れば求まります。容積負荷は槽1 m3あたり1日に処理できるBODの量なので、必要容積=BOD負荷÷容積負荷です。分かれ目は、2系統のBOD量をそれぞれ計算してから合算することと、mg/Lとm3/日を掛けてkg/日に正しくそろえることです。濃度の平均を取ろうとしたり、片方の系統を忘れたりすると値がずれます。合計BOD負荷を出せば、あとは割り算だけで答えが決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
計算の手順
- ラインAのBOD量:200 m3/日 × 250 mg/L = 50000 g/日 = 50 kg/日。
- ラインBのBOD量:100 m3/日 × 120 mg/L = 12000 g/日 = 12 kg/日。
- 合計のBOD負荷:50 + 12 = 62 kg/日。
- 曝気槽容積 = BOD負荷 ÷ 容積負荷 = 62 ÷ 0.4 = 155 m3。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | BOD量の集計や単位換算を誤ると出てくる小さすぎる値で、合計62 kg/日に合いません。 |
| (2) | ×(誤り) | 2系統のうち片方を取り違えたときに出やすい値で、正しい負荷では得られません。 |
| (3) | ×(誤り) | 容積負荷を0.5と読み違えると62÷0.5=124となります。0.4で割るのが正しい手順です。 |
| (4) | ×(誤り) | BOD量の合算を誤ったときの値で、正しい62 kg/日からは導けません。 |
| (5) | ○(正しい) | 合計BOD負荷62 kg/日を容積負荷0.4で割った155 m3で、条件に合致します。 |
ここが分かれ目
誤りやすいのは、二つの系統をまとめて扱おうとして濃度をそのまま平均してしまう点です。求めるのはBODの「量」なので、系統ごとに排水量×濃度でkg/日を出し、それを足してから割ります。もう一つは容積負荷の読み違えで、0.4を0.5と取ると62÷0.5=124となり別の選択肢に吸い寄せられます。負荷は0.4 kg BOD/(m3・日)なので、62÷0.4=155 m3が正しい容積です。
覚え方
- 曝気槽容積=BOD負荷 ÷ 容積負荷。負荷は量、濃度そのものではない。
- BOD量は系統ごとに「排水量×濃度」でkg/日にしてから合算。mg/L×m3=gの換算を忘れない。
- 割る数は容積負荷0.4。0.5と読み違えると答えがずれる。
理解度チェック
Q.
2系統の合計BOD負荷は何kg/日?
62 kg/日です。A:200×250=50 kg/日、B:100×120=12 kg/日を足します。
Q.
容積負荷0.4 kg BOD/(m3・日)のとき、必要な曝気槽容積は?
155 m3です。合計負荷62 kg/日を0.4で割って求めます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月