令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問13を解説|中和・pH調節
令和4年度 水質関係技術特論 問13は、排水の中和・pH調節における維持管理に関する問題です。最も不適当なものを選びます。
この問題のポイント
中和・pH調節の維持管理では、pH計の校正・電極保守と、中和剤の供給量の調節が中心になります。引っかけの核心は中和剤の濃度です。中和剤を濃くするほど、わずかな添加量でpHが大きく振れて目標値を行き過ぎやすくなり、かえって制御が難しくなります。選択肢(4)は「濃厚なほど制御が容易だから高濃度がよい」と、方向を逆に述べています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | pH調整槽の維持管理の主眼は、pH計の管理と中和剤の調節です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 標準液による校正、電極内部液の補給、電極洗浄を定期的に行う必要があります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 内部液の消費が多いときは、液絡部の点検か電極の交換が必要です。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 中和剤を高濃度にすると制御は難しくなります。「濃厚なほど容易で高濃度がよい」は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 水酸化カルシウム懸濁液は反応に時間を要するので、中和槽の容量を確保します。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
中和剤が高濃度だと、単位添加量あたりのpH変化が大きくなり、目標pHの付近でオーバーシュート(行き過ぎ)を起こしやすくなります。狙った値に安定して合わせるには、中和剤を適度に薄めて応答をなだらかにするのが有利です。選択肢(4)は「濃厚なほど制御が容易」として、濃度と制御しやすさの関係を逆に述べている点が誤りです。実務では、消費量とのバランスを見ながら、制御しやすい濃度に調整します。
覚え方
- pH制御の中和剤は薄めが制御しやすい(濃いと跳ねる)。
- pH計の維持は校正・内部液補給・電極洗浄の三点セット。
- 消石灰(水酸化カルシウム)懸濁液は反応が遅く、槽容量に余裕を。
理解度チェック
Q.
pH制御では中和剤を高濃度にすると制御しやすくなる?
いいえ。高濃度ほど行き過ぎやすく制御は難しくなります。適度に薄めて応答をなだらかにします。
Q.
pH計を適切に保つための定期作業は?
標準液による校正、電極内部液の補給、電極の洗浄です。内部液の消費が多いときは液絡部点検か電極交換をします。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月