令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問3を解説|加圧浮上分離法
令和4年度 水質関係技術特論 問3は、加圧浮上分離法に関する問題です。浮上の原理や常用圧力、凝集沈殿法との比較などの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
加圧浮上は、微細な気泡を懸濁物質に付着させて水面へ浮かせ、上澄みから分離する方法です。分かれ目は、その気泡を生み出す仕組みを正しく言えるかどうか。加圧して空気を水に多く溶かし、常圧に戻したときに過飽和分が微細気泡として析出するという順序が核心です。ここを「水の密度変化を利用する」と取り違えると、原理を問う肢に引っかかります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 加圧による水の密度変化を利用、は誤りです。利用するのは空気の溶解度変化(微細気泡)です。 |
| (2) | ○(正しい) | 加圧時の常用圧力はゲージ圧で200〜500 kPa程度で、妥当な範囲です。 |
| (3) | ○(正しい) | 加圧・空気溶解の設備を要するため、所要動力は凝集沈殿法より大きくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 凝集沈殿法と比べ汚泥含水率は低いが、処理水濁度は高くなる傾向があります。 |
| (5) | ○(正しい) | 乳化油を含む排水では、凝集剤の添加を検討します。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
誤りの核心は「加圧による水の密度変化を利用して懸濁物質を浮上させる」という説明です。加圧浮上が利用するのは水の密度変化ではなく、空気の溶解度が圧力で変わることです。加圧して空気を水に多く溶かし込み、常圧に戻すと溶けきれなくなった空気が微細な気泡になって析出します。この気泡が懸濁物質に付着して見かけの密度を下げ、水面へ浮かせます。
覚え方
- 加圧浮上=加圧で空気を溶かし、減圧で微細気泡を出す。効くのは溶存空気。
- 常用圧力=ゲージ圧で200〜500 kPa程度。
- 凝集沈殿より動力は大きめ、汚泥含水率は低いが処理水濁度は高め。
理解度チェック
Q.
加圧浮上で懸濁物質を浮かせるのに使うのは何?
加圧で溶かした空気が減圧時に析出してできる微細気泡です。水の密度変化ではありません。
Q.
凝集沈殿法と比べた加圧浮上の所要動力は?
加圧や空気溶解の設備が要るため、一般に凝集沈殿法より大きくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月