令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問2を解説|粒子の沈降分離
令和4年度 水質関係技術特論 問2は、排水中の粒子の沈降分離に関する問題です。終末沈降速度の定義や、レイノルズ数による式の使い分け、ストークスの式が示す比例関係についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
沈降分離は、粒子に働く重力と、水からの抵抗力・浮力の釣り合いで一定速度(終末沈降速度)に達するという基本の上に成り立ちます。レイノルズ数の大小でニュートン・アレン・ストークスの式を使い分ける点も定番です。分かれ目は、微粒子・層流域で使うストークスの式で、沈降速度が粒子直径の何乗に比例するかという1点。ここを「3乗」と覚え違えると誤答肢に引っかかります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 抵抗力と浮力の和が重力と等しくなり一定速度で沈む、が終末沈降速度の定義です。 |
| (2) | ○(正しい) | レイノルズ数の値でニュートン・アレン・ストークスの式を使い分けます。 |
| (3) | ○(正しい) | 粒子径が小さくなるほど、レイノルズ数も小さくなります。 |
| (4) | ×(誤り) | ストークスの式で沈降速度が直径の3乗に比例、は誤りです。正しくは直径の2乗に比例します。 |
| (5) | ○(正しい) | ストークスの式では、沈降速度は粒子と水の密度差に比例します。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
ストークスの式では、沈降速度は粒子直径の2乗に比例します。「直径の3乗に比例する」という主張が誤りです。直径が2倍になれば沈降速度は2乗の4倍であって、3乗の8倍ではありません。あわせて、沈降速度は粒子と水の密度差に比例し、水の粘度に反比例するという関係も覚えておくと、他の肢の正誤も判断しやすくなります。
覚え方
- ストークスの沈降速度=直径の2乗に比例、密度差に比例、粘度に反比例。
- レイノルズ数が小さい(層流・微粒子)ときにストークスの式が使える。
- 終末沈降速度=抵抗力+浮力が重力と釣り合った一定速度。
理解度チェック
Q.
ストークスの式で、沈降速度は粒子直径の何乗に比例する?
2乗に比例します。直径が2倍なら速度は4倍です。「3乗」は誤りです。
Q.
終末沈降速度とはどんな状態の速度?
粒子に働く抵抗力と浮力の和が重力と等しくなり、一定速度で沈降している状態の速度です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月