令和元年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問14を解説|維持管理
令和元年度 水質関係技術特論 問14は、汚水処理装置の維持管理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
膜の洗浄、ジャーテスト、pH計の校正、回転円板の生物膜、嫌気処理のガス発生量など、日常の運転管理の知識を横断的に問う問題です。引っかけの核心は膜の目詰まり洗浄に使う薬品です。膜の洗浄には次亜塩素酸ナトリウムや酸・アルカリといった薬品を使いますが、選択肢では塩化鉄(III)を洗浄剤として挙げています。塩化鉄(III)は凝集沈殿で使う凝集剤で、用途を取り違えさせる作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 膜の目詰まり洗浄に塩化鉄(III)を用いるとする点が誤りです。塩化鉄(III)は凝集剤で、膜洗浄には次亜塩素酸ナトリウムや酸・アルカリを使います。 |
| (2) | ○(正しい) | ジャーテストでは凝集剤添加量とpH値を変えて良好な凝集条件を探します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | pH計は標準液を用いて定期的に校正します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 回転円板に生物膜が均一に付かないと回転の駆動力にむらが生じます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 嫌気処理でガス発生量が低下したときは、メタン生成菌の活性低下が予想されます。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
膜分離装置では、運転を続けると膜面に汚れが積もって目詰まり(ファウリング)が進みます。この洗浄には、有機物やスライムを分解する次亜塩素酸ナトリウム、無機スケールを溶かす酸、油分などに効くアルカリといった薬品を使い分けます。選択肢(1)が挙げる塩化鉄(III)は、コロイドを集めてフロックにする凝集剤で、膜を洗う薬品ではありません。むしろ膜面に加えれば付着物を増やしかねず、用途の取り違えが誤りの核心です。
覚え方
- 膜洗浄は次亜塩素酸ナトリウム・酸・アルカリ(塩化鉄(III)は凝集剤)。
- ジャーテストは凝集剤量とpHを振って最適条件を探す。
- pH計は標準液で定期校正。
- 嫌気処理のガス低下=メタン生成菌の不調サイン。
理解度チェック
Q.
膜の目詰まり洗浄に使う薬品は?
次亜塩素酸ナトリウムや酸・アルカリです。塩化鉄(III)は凝集剤で、膜洗浄には使いません。
Q.
ジャーテストでは何を変えて条件を探す?
凝集剤の添加量とpH値です。良好なフロック形成の条件を見いだします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月