令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問22を解説|防振ダンパの働き
令和7年度 騒音・振動特論 問22は、機械の弾性支持による防振装置に用いるダンパ(減衰器)に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダンパは振動のエネルギーを吸収して減衰させる部品で、主な役目は起動・停止時などに固有振動数付近を通過するときの共振の暴れ(過大振幅)を抑えることです。引っかけの核心は、定常運転時(加振振動数が固有振動数より十分高い防振域)でのダンパの効き方です。この領域では、減衰があるとかえって振動伝達率が上がり、防振効果は向上どころか低下します。選択肢(3)はこれを「定常運転時にはダンパの装着によって防振効果が大きく向上する」と逆に述べている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ハンマなどの衝撃加振に対し、振動を減衰させる働きがあります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 機械本体の共振振幅を許容範囲内に抑えるために取り付けます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 定常運転(防振域)ではダンパで伝達率が上がり、防振効果はむしろ低下します。「大きく向上」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | ダンパにはオイルダンパと摩擦ダンパがあります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | オイルダンパは作動油の粘性や圧力降下で運動エネルギーを熱に変換・消散させます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダンパ(減衰)は、固有振動数付近の共振ピークを下げるのには有効です。しかし、加振振動数が固有振動数の√2倍を超える防振域(=定常運転で使う領域)では、減衰があると振動伝達率が減衰ゼロの場合より大きくなります。つまり定常運転時にはダンパの装着で防振効果は向上せず、むしろ低下します。ダンパは共振通過時の暴れを抑えるために付けるものであり、選択肢(3)の「定常運転時に防振効果が大きく向上する」は効き方の向きを取り違えた誤りです。
覚え方
- ダンパの主役は共振時の暴れ抑え。防振域(定常運転)ではむしろ伝達率を上げる。
- 減衰は共振ピークを下げるが、高周波側の遮断を鈍らせる(防振効果は下がる)。
理解度チェック
Q.
ダンパを付ける主な目的は?
共振時の過大な振幅を許容範囲に抑えることです。起動・停止で固有振動数付近を通過するときの暴れを減らします。
Q.
定常運転(防振域)ではダンパで防振効果は上がる?
いいえ、下がります。この領域では減衰があると振動伝達率が大きくなり、防振効果はむしろ低下します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月