令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問16を解説|遮音特性の測定
令和7年度 騒音・振動特論 問16は、遮音特性とその測定方法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
遮音特性は、壁や建物が音をどれだけ通しにくいかを表します。現場では、音源側と受音側の音圧レベルの差(工場建物なら壁面内側1 mと外側1 m、2室間なら両室で数点平均した差)として測定します。引っかけの核心は、こうして現場で測る2室間の音圧レベル差と、材料そのものが持つ音響透過損失を同じものと扱ってよいかという点です。音響透過損失は入射音響パワーと透過音響パワーの比で決まる材料固有の値で、受音室の吸音などに左右される現場の音圧レベル差とは一般に一致しません。選択肢(5)はこれを「同一」と言い切っている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 音源は機械の騒音そのものを使うのが実用的で、ホワイトノイズやピンクノイズを使ってもよいとされます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 音が変動する場合は、音源側と受音側で同時に測ると差が正しく求まります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 工場建物の遮音特性は、対象壁面の内側1 mと外側1 mのオクターブバンド音圧レベル差で表します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 2室間では両室でそれぞれ5点程度の平均オクターブバンド音圧レベルを測り、その差で表します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 材料固有の音響透過損失と、受音室の条件を含む2室間の音圧レベル差は一般に一致しません。「同一」とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
音響透過損失(TL)は、材料に入射する音響パワーと、材料を透過して反対側へ抜ける音響パワーの比で定義される材料固有の量です。一方、騒音防止のために現場で測る2室間の遮音特性は、受音室の吸音や面積などの条件に左右される音圧レベル差(騒音低減量)であり、測定の前提が異なります。したがって両者は一般に一致せず、選択肢(5)のように「JIS Z 8106で規定する音響透過損失は2室間の遮音特性として求めた値と同一である」と言い切るのは誤りです。
覚え方
- 音響透過損失は入射/透過の音響パワー比で決まる材料固有の量。現場の2室間音圧レベル差とは別物。
- 工場建物の遮音特性は内側1 m・外側1 mの音圧レベル差、2室間は各5点平均の差。
理解度チェック
音響透過損失と2室間の音圧レベル差は同じ値?
いいえ。音響透過損失は材料固有のパワー比で決まる量、2室間の音圧レベル差は受音室の吸音などに左右される現場の測定値で、一般に一致しません。
工場建物の遮音特性はどこの音圧レベル差で表す?
対象とする壁面の内側1 mと外側1 mのオクターブバンド音圧レベル差で表します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月