令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問8を解説|総合音響透過損失
令和7年度 騒音・振動特論 問8は、壁に窓とドアを取り付けた面全体の総合音響透過損失を求める計算問題です。各部位の透過損失(壁40 dB・窓20 dB・ドア10 dB)から、壁面全体の値を求めます。
この問題のポイント
透過損失(dB)は対数量なので、そのまま面積で平均してはいけません。まず各部位を透過率τ(=10のマイナスTL/10乗)に直し、面積で加重平均してから、対数に戻して総合透過損失にします。ここで効くのは、いちばん音を通しやすい部位です。透過損失の小さいドアや窓が全体の値を大きく引き下げるため、壁が40 dBあっても総合値は約18 dBにとどまります。これが選択肢(3)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
解き方の手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 面積の内訳 | 全体40 m²のうち、窓10 m²・ドア5 m²・残る壁25 m²。 |
| 透過率τ | 壁(TL40)τ=0.0001、窓(TL20)τ=0.01、ドア(TL10)τ=0.1。TLが小さいほどτが大きい(音を通す)。 |
| 面積加重平均 | 平均τ =(25×0.0001+10×0.01+5×0.1)÷40 = 0.6025÷40 ≒ 0.015。 |
| 対数に戻す | 総合透過損失 = 10 log(1/0.015) ≒ 10 log 66 ≒ 18 dB。 |
ここが分かれ目
やってはいけないのは、透過損失の数値(40・20・10)を面積で平均してしまうことです。透過損失は対数量なので、いったん透過率に直してから平均します。しかも効いてくるのは音を最も通す部位で、面積加重した合計0.6025のうちドア(0.5)と窓(0.1)で大半を占めます。壁が40 dBと高くても、弱点となる開口部が全体を支配するため、総合値は壁よりずっと低い約18 dBになります。遮音は「いちばん弱いところ」で決まる、と覚えておきましょう。
覚え方
- 総合透過損失=透過率に直して面積加重平均→対数に戻す。dBのまま平均しない。
- 全体はいちばん音を通す部位(TLが小さい所)に引きずられる。
- 透過率 τ=10のマイナスTL/10乗。TL10 dB→τ0.1、TL20 dB→τ0.01。
理解度チェック
なぜ透過損失(dB)をそのまま面積平均してはいけないのか?
透過損失は対数量だからです。エネルギーの割合である透過率に直してから面積で加重平均し、最後に対数へ戻します。
壁40 dB・窓20 dB・ドア10 dBのうち、総合値を最も左右するのは?
透過損失が最も小さいドアです。最も音を通す部位が全体を支配し、総合値は約18 dBに下がります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月