令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問9を解説|一重壁の透過損失特性
令和7年度 騒音・振動特論 問9は、単層平板のような密実な一重構造の遮音材料の音響透過損失(TL)の周波数特性を選ぶ問題です。破線ML(質量則)、共鳴周波数fr、コインシデンスの限界周波数fcが図に示されています。
この問題のポイント
一重壁の透過損失は、周波数によって支配する要因が変わり、特性が3つの領域に分かれます。低い周波数側の共鳴(剛性支配)領域、中域の質量則に沿って上昇する領域、そして高い周波数側でfcに現れるコインシデンスの落ち込み(谷)です。押さえるべき2点は、中域では破線MLに沿って周波数が上がるほどTLが増えること、そしてfcでTLが大きく落ち込む谷ができることです。この両方を正しく描いているのが選択肢(1)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の判定
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 中域が質量則ML に沿って上昇し、fcで谷ができる形で、一重壁の特性と一致します。 |
| (1)以外 | ×(誤り) | fcで谷にならず山になっている、質量則に沿わない、frとfcの向きが逆など、一重壁の特性に合いません。 |
ここが分かれ目
最大のポイントはfc(コインシデンスの限界周波数)でTLが谷になることです。コインシデンス効果は、入射音の波と板の曲げ振動の波がうまく一致してしまい音が通りやすくなる現象なので、TLは上がるのではなく大きく落ち込みます。ここを山(TL増加)に描いた図は誤りです。もう一つは中域で、破線ML(質量則)に沿って周波数が上がるほどTLが増える右上がりであること。fr以下の低域は剛性が支配する領域で、質量則からは外れます。「中域は質量則で右上がり、fcで谷」を満たす選択肢(1)が正解です。
覚え方
- 一重壁の中域=質量則MLに沿って右上がり(周波数2倍でTL+約6 dB)。
- fc(コインシデンス限界周波数)でTLは谷(山ではない)。
- fr以下は剛性支配で質量則から外れる。順に fr → 質量則域 → fc の谷。
理解度チェック
コインシデンス限界周波数fcでは、透過損失は山と谷のどちらになる?
谷になります。入射音と板の曲げ波が一致して音が通りやすくなるため、TLが大きく落ち込みます。
中域(質量則領域)では、周波数が上がるとTLはどう変わる?
破線ML(質量則)に沿って増加します。周波数が2倍になるとTLは約6 dB増えます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月