令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問9を解説|壁厚と透過損失
令和6年度 騒音・振動特論 問9は、機械を増設したときに受音室の騒音上昇を抑えるため、間仕切り壁を何倍の厚さにすればよいかを求める計算問題です。音響透過損失の式を使います。
この問題のポイント
音源室の機械は2台から8台になるので、音響出力は4倍、音源室のレベルは10log4=約6dB上がります。受音室の上昇を3dB以内に収めるには、壁の音響透過損失TLを差の3dBだけ増やせばよいことになります。壁を厚くすると面密度mが厚さに比例して増え、TL=18log(mf)−44の式から、mをk倍にするとTLは18logk増えます。18logk=3を解くとk=約1.5となり、選択肢(2)が正解です。ポイントは、増設による6dBと目標3dBの差=3dBを、壁のTL増分に置き換えることです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 倍率 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 1.0 | × 厚さそのままではTLが増えず、上昇6dBを3dB以内に抑えられません。 |
| (2) | 1.5 | ○ 18log(1.5)=約3dBのTL増。上昇を3dBに抑えられます。計算値に一致します。 |
| (3) | 2.0 | × TL増が約5.4dBと過剰で、必要以上に厚くしています。 |
| (4) | 2.5 | × さらに過剰で、少なくとも必要な厚さより大きすぎます。 |
| (5) | 3.0 | × TL増が約8.6dBで、要求を大きく上回ります。 |
計算の手順
- 機械は2台→8台で音響出力4倍。音源室のレベル上昇=10log4=約6dB。
- 受音室の上昇を3dB以内にするには、壁のTLを 6−3=3dBだけ増やせばよい。
- 壁を厚くすると面密度mが厚さに比例。TL=18log(mf)−44 で、mをk倍にするとTL増分=18log(km・f)−18log(mf)=18logk。
- 18logk=3 → logk=3/18=0.167 → k=100.167=約1.5。
したがって、間仕切り壁は少なくとも約1.5倍の厚さにすればよく、選択肢(2)が正解です。
覚え方
- 台数がn倍=音源レベルは10logn上がる(4倍で約6dB)。
- 壁厚をk倍=面密度k倍。TL増分は式の係数×logk(ここでは18logk)。
- 「上昇を◯dB以内」=増えた分と目標の差を、壁のTL増でまかなう。
理解度チェック
Q.
同型の機械を2台から8台に増やすと、音源室のレベルは何dB上がる?
音響出力が4倍なので10log4=約6dB上がります。台数比が4倍であることに着目します。
Q.
壁を厚くしてTLを増やすとき、厚さ倍率kと透過損失の増分の関係は?
面密度がk倍になり、TL=18log(mf)−44から増分は18logkです。ここでは18logk=3を解いてk=約1.5となります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月