令和5年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問14を解説|オクターブバンドと騒音レベル
令和5年度 騒音・振動特論 問14は、オクターブバンド分析の結果から騒音レベルを求める計算問題です。各バンドの音圧レベルから、A特性の騒音レベルを算出します。
この問題のポイント
騒音レベルは、各バンドの音圧レベルにそのまま合成するのではなく、まずA特性補正を足してから合成します。計算の要は、A補正で低音のバンドが大きく下がり、寄与するのは中音域(250〜2000Hz付近)に絞られる点です。補正後の値をデシベル合成すると、いちばん大きいバンドより数dB高い約61dBになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 約55dB | ×(誤り) | 中音域の複数バンドを合成した値には届かず、小さすぎます。 |
| (2) 約58dB | ×(誤り) | 合成の足し上げが不足しており、正しい値に及びません。 |
| (3) 約61dB | ○(正しい) | A補正後の各バンドをデシベル合成した値と一致します。 |
| (4) 約64dB | ×(誤り) | 低音バンドをA補正せずに足すと出やすい過大な値です。 |
| (5) 約67dB | ×(誤り) | A特性補正を省くと出る値で、騒音レベルとしては大きすぎます。 |
計算の手順
各バンドの音圧レベルにA特性補正を足し、A特性の音圧レベルにします(代表的なA補正値を用います)。
| 中心周波数(Hz) | 音圧レベル(dB) | A補正(dB) | A特性(dB) |
|---|---|---|---|
| 31.5 | 71 | −39.4 | 31.6 |
| 63 | 68 | −26.2 | 41.8 |
| 125 | 66 | −16.1 | 49.9 |
| 250 | 64 | −8.6 | 55.4 |
| 500 | 56 | −3.2 | 52.8 |
| 1000 | 53 | 0 | 53.0 |
| 2000 | 54 | +1.2 | 55.2 |
| 4000 | 49 | +1.0 | 50.0 |
| 8000 | 47 | −1.1 | 45.9 |
A特性の各バンドをデシベル合成します(L=10log Σ10^(Li/10))。効くのは250Hz(55.4)・2000Hz(55.2)・1000Hz(53.0)・500Hz(52.8)あたりで、低音バンドはA補正で大きく下がり寄与しません。これらを足し上げると約61dBとなり、選択肢(3)が正解です。A補正を忘れて生の音圧レベルのまま合成すると64〜67dBと過大になるので注意します。
覚え方
- 騒音レベルはA特性補正を足してから合成。低音バンドは補正で大きく下がる。
- デシベル合成は L=10log Σ10^(Li/10)。効くのは値の大きい中音域のバンド。
理解度チェック
Q.
バンドレベルから騒音レベルを出す最初の手順は?
各バンドにA特性補正を足すことです。その後にデシベル合成します。補正を忘れると値が過大になります。
Q.
合成後の騒音レベルに効くのはどのバンド?
A補正後の値が大きい中音域(250〜2000Hz付近)です。低音バンドはA補正で下がり、ほとんど効きません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月