令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|動吸振器と固有振動数
令和4年度 騒音・振動特論 問18は、ばねで支えた機械が共振したため、動吸振器(付加質量+ばね)で対策する場合の、固有振動数(ア)と付加ばねのばね定数(イ)を求める組合せ問題です。減衰はないものとして、正しい数値の組合せを選びます。
この問題のポイント
ポイントは2段構えです。まず(a)の系の固有振動数は f=(1/2π)√(K/M) で求めます。次に(b)の動吸振器は、付加質量とばねだけの固有振動数を、抑えたい振動数(=共振している外力の振動数、ここでは元の系の固有振動数に近い)に一致させる(同調させる)と、その振動数で主質量の揺れを打ち消します。したがって √(k/m)=√(K/M)、すなわち k/m=K/M が条件です。分かれ目は、付加ばね k を「元のばねと同じ」ではなく「質量の比に合わせて」決める点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
計算の手順
| 記号 | 答え | 求め方 |
|---|---|---|
| ア | 5 Hz | f=(1/2π)√(K/M)=(1/2π)√(1000×103/1000)=(1/2π)√1000≒(1/2π)×31.6≒5.0 Hz。 |
| イ | 100 kN/m | 同調条件 k/m=K/M より k=m×(K/M)=100×(1000/1000)×103=1.0×105 N/m=100 kN/m。 |
ア=5、イ=100 の組合せは選択肢(3)です。
ここが分かれ目
付加ばね k を、元のばねK(1000 kN/m)と同じにしてしまうのがひっかけです。付加質量 m=100 kg は主質量 M=1000 kg の10分の1なので、同調条件 k/m=K/M から k=K×(m/M)=1000×(1/10)=100 kN/m となります。質量を10分の1にしたら、ばねも10分の1という比例で覚えると迷いません。
覚え方
- 固有振動数 f=(1/2π)√(K/M)。
- 動吸振器の同調条件=√(k/m)=√(K/M)(付加系の固有振動数を合わせる)。
- 付加ばね k=K×(m/M)。質量比のぶんだけ小さいばね。
理解度チェック
動吸振器のばね定数は、元のばね定数と同じにすればよいか?
いいえ。同調条件 k/m=K/M を満たすように決めます。質量が10分の1なら、ばね定数も10分の1(100 kN/m)です。
K=1000 kN/m、M=1000 kg の系の固有振動数はおよそ何Hzか?
f=(1/2π)√(K/M)=(1/2π)√1000≒5 Hzです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月