令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問9を解説|遮音構造の音響透過損失
令和4年度 騒音・振動特論 問9は、遮音構造の音響透過損失に関する問題です。一重壁・中空構造・各種サンドイッチパネルについての記述のうち、不適当なものを選びます。
この問題のポイント
遮音の基本は、密実な一重壁の透過損失が質量則(重いほど遮音がよい)とコインシデンスで説明できること、中空二重壁では中空層の空気ばねによる共鳴透過で遮音が落ちる周波数があること、の2点です。サンドイッチパネルの芯材は種類で役割が変わります。ひっかけは、弾性材料を芯材にしたときの共鳴透過周波数の向きです。芯材をばねと見れば、共鳴の周波数はばねの硬さ(剛性)で決まり、柔らかい(ヤング率が小さい)ほど周波数は低くなります。「小さくなるほど高くなる」は逆向きです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 一重壁の透過損失の周波数特性は、質量則とコインシデンスで説明できます。 |
| (2) | ○(正しい) | 中空構造は、中空部の空気層による共鳴透過の影響を受けます。 |
| (3) | ○(正しい) | 剛性の高い芯材は質量増につながり、透過損失が増加します。 |
| (4) | ○(正しい) | 多孔質吸音材の芯材は、共鳴透過時に抵抗として働き周波数特性を改良します。 |
| (5) | ×(誤り) | 弾性芯材でヤング率が小さくなるほど共鳴透過周波数が「高くなる」としている点。実際は低くなります。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
弾性材料を芯材にしたサンドイッチパネルは、二枚の板が芯材のばねを介してつながった系とみなせます。共鳴透過が起こる周波数はばねの硬さ(剛性)で決まり、剛性の平方根に比例して動きます。芯材のヤング率が小さくなると剛性が下がり、共鳴透過周波数は低くなります。選択肢(5)は「高くなる」としており、周波数が動く向きが逆です。柔らかいばねほど共鳴はゆっくり(低い周波数)と結び付けて覚えます。
覚え方
- 一重壁は質量則+コインシデンス、中空壁は共鳴透過で遮音が落ちる。
- 共鳴透過周波数は剛性で決まる:柔らかい(ヤング率小)ほど周波数は低い。
- 多孔質芯材は共鳴時の抵抗になり、周波数特性を改良する。
理解度チェック
Q.
弾性芯材のヤング率を小さくすると共鳴透過周波数はどうなる?
低くなります。剛性が下がるほど共鳴周波数は低い側へ動きます。
Q.
密実な一重壁の透過損失は何で説明される?
質量則とコインシデンスです。重いほど遮音がよく、コインシデンスで落ち込む周波数があります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月