令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|弾性支持による振動対策
令和3年度 騒音・振動特論 問18は、ばねで機械を支える弾性支持による振動対策に関する問題です。設計上の考え方を述べた5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題のポイント
弾性支持では、固有振動数を運転回転数より十分下げ、起動時に通る共振域を素早く通り抜けるのが要点です。共振域はゆっくり通るほど振幅が育つので、対策の基本は起動時間を短くして一気に通過させることです。減衰を大きくすると共振時の振幅そのものは下がりますが、運転域(振動数比が大きい領域)での防振効果は損なわれます。したがって、減衰の大きい材料を選ぶことを主たる対策とするのは不適当です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(最も不適当) | 共振通過の対策は起動時間の短縮が基本。減衰を大きくすると運転域の防振効果を損ないます。 |
| (2) | ○(適当) | 弾性支持は6自由度系ですが、連成を避ける設計にすると扱いやすくなります。 |
| (3) | ○(適当) | 機械自体の剛性が小さいときは、剛性の大きい架台で補強するのが有効です。 |
| (4) | ○(適当) | 防振効果を得るには振動数比を√2以上、一般には3以上に設定します。 |
| (5) | ○(適当) | 質量を付加して固有振動数を下げると、地盤へ伝わる力を小さくできます。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
起動から定常回転に達するまでの時間が長い(共振域をゆっくり通る)ほど、共振点通過時の振幅は大きくなります。ここまでは正しいのですが、その対策として減衰の大きい材料を選ぶという方向づけが不適当です。共振通過の振幅を抑える基本は、起動時間を短くして共振域を速やかに通過させることです。減衰を大きくすると共振時の振幅は下がる反面、振動数比が√2を超える運転域では防振効果(振動絶縁)が悪くなるため、減衰の増強を主対策にするのは避けます。
覚え方
- 共振通過の対策=起動時間を短くして一気に通過。
- 防振効果を得る振動数比は√2以上(一般に3以上)。
- 減衰を増やすと共振振幅は下がるが、運転域の絶縁は悪化=トレードオフ。
理解度チェック
Q.
起動時に共振点を通過するときの振幅を抑える基本的な対策は何か?
起動時間を短くして、共振域を速やかに通過させることです。ゆっくり通ると振幅が育ちます。
Q.
防振効果を確保するための振動数比の目安は?
√2以上、一般的には3以上です。運転回転数を固有振動数より十分高くします。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月