令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問17を解説|振動問題と対策
令和3年度 騒音・振動特論 問17は、機械が生じる振動問題とその対策に関する問題です。振動の発生原因や対策の考え方を述べた5つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
複数の機械が同じ加振力を出すとき、それらを重ね合わせて振動を抑えるには、力が互いに打ち消し合う向き(逆位相)になるように配置・運転するのが基本です。ここが最大の引っかけで、同位相にそろえると力が足し合わさって、かえって振動が大きくなってしまいます。他の選択肢(熱・流体関連振動、緩衝装置による衝撃力低減、不釣り合い質量の慣性力、レシプロ機関の高次慣性力)はいずれも正しい記述です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 流体機械やボイラ設備などでは、熱・流体関連振動や燃焼振動という振動問題が実際に生じます。 |
| (2) | ×(誤り) | 同位相ではなく逆位相にして加振力を打ち消すのが正しく、同位相にすると振動は増幅します。 |
| (3) | ○(正しい) | 緩衝装置で力の作用時間を長くすれば、同じ力積でもピークの衝撃力は小さくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 回転体に不釣り合い質量があると、その慣性力が回転に伴う振動の原因になります。 |
| (5) | ○(正しい) | 往復動機関の防振では、第一次だけでなく高次の慣性力についても検討します。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
同じ加振力を出す機械を近接して並べるとき、加振力を同位相にそろえると力どうしが足し合わさり、合成した加振力が大きくなって振動は悪化します。振動を抑えたいなら、逆に力が互いに打ち消し合う(逆位相になる)ように配置や運転タイミングを工夫します。「同位相になるように配置・運転して振動を制御する」という向きが、原理と逆になっているのが誤りです。
覚え方
- 複数機械の加振力は逆位相で相殺、同位相は増幅。
- 衝撃力対策=作用時間を延ばしてピークを下げる(力積は同じ)。
- 往復動機関は高次の慣性力まで検討、回転体は不釣り合い質量の慣性力に注意。
理解度チェック
Q.
同形の機械を複数並べて振動を抑えるには、加振力を同位相と逆位相のどちらにそろえるか?
逆位相です。力を打ち消し合わせて合成加振力を小さくします。同位相にすると増幅します。
Q.
緩衝装置で衝撃力を小さくできるのはなぜか?
力が作用する時間を長くできるからです。同じ力積でも、時間が延びればピークの力は下がります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月