令和3年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問15を解説|環境騒音の用語(JIS Z 8731)
令和3年度 騒音・振動特論 問15は、JIS Z 8731:2019「環境騒音の表示・測定方法」に関する問題です。総合騒音・背景騒音・定常騒音などの用語や測定の扱いについて、誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
用語の定義(総合騒音・背景騒音・定常騒音)や、背景騒音の影響を無視できる目安(差が10 dB以上)は、いずれも規格どおりです。ひっかけは最後の読み取り方法にあります。騒音レベルが安定している場合、規格では時間重み付け特性S(遅い動特性)を用いて指示値を読み取ると定めています。選択肢(5)はこれを「特性F(速い動特性)」としており、ここが誤りです。安定=ゆっくり読む(S)と押さえておきましょう。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 総合騒音は、ある場所・ある時刻の総合的な騒音、という定義どおりです。 |
| (2) | ○(正しい) | 背景騒音は、特定騒音に着目したときのそれ以外の全ての騒音、で正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 定常騒音は、レベルの変化が小さくほぼ一定とみなせる騒音、で正しいです。 |
| (4) | ○(正しい) | 対象騒音の有無で指示値の差が10 dB以上あれば、背景騒音の影響はほぼ無視できます。 |
| (5) | ×(誤り) | 安定した騒音の読み取りは特性S(遅い動特性)。特性Fではありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
JIS Z 8731:2019は、騒音レベルが安定している場合の指示値の読み取りに時間重み付け特性S(遅い動特性)を用いると定めています。ゆっくり応答するS特性は指示値のふらつきを抑え、安定した音を読み取るのに向いているためです。選択肢(5)はこれを「特性F(速い動特性)」としており、ここが規格と食い違っています。速いF特性は変動を細かく追う用途で、安定した騒音を落ち着いて読む場面には規格が指定していません。「安定=S、変動を追う=F」という対応で覚えると取り違えを防げます。なお、変動が見られる場合は積分平均機能で等価騒音レベルを求めます。
覚え方
- 安定した騒音の指示値=特性S(遅い動特性)で読む。Fではない。
- 用語=総合騒音(その場・その時刻の全体)/背景騒音(特定騒音以外の全て)/定常騒音(ほぼ一定)。
- 背景騒音の差が10 dB以上なら影響はほぼ無視。変動時は等価騒音レベル。
理解度チェック
騒音レベルが安定している場合、指示値はどの時間重み付け特性で読むか?
特性S(遅い動特性)です。ゆっくり応答して指示値のふらつきを抑えられるため、安定した騒音の読み取りに用います。Fではありません。
背景騒音の影響を「ほぼ無視してよい」とされる目安は?
対象の騒音があるときとないときの指示値の差が10 dB以上あるときです。差が小さいと背景騒音の補正が必要になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月