令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問20を解説|力の振動伝達率
令和2年度 騒音・振動特論 問20は、1自由度系の力の振動伝達率の値に関する問題です。加振振動数と固有振動数の関係ごとの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
力の振動伝達率は、加振振動数fと固有振動数f0の比で大きく変わります。fがf0よりずっと小さい領域では減衰によらずほぼ1、f=√2 f0の交点では減衰によらずちょうど1、そこより上の防振域では1より小さくなり絶縁が働きます。引っかけの核心はこの防振域での減衰の効き方です。防振域では減衰比が小さいほど伝達率も小さく(絶縁が良く)なります。よって「減衰比が小さいほど大きくなる」は逆で、選択肢(5)が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 加振振動数が固有振動数よりずっと低い領域では、減衰によらず伝達率はほぼ1です。 |
| (2) | ○(正しい) | 共振点付近では、減衰によらず伝達率は1より大きくなります。 |
| (3) | ○(正しい) | 共振点で減衰比が小さいときは、伝達率はおよそ 1/(2ζ) になります。 |
| (4) | ○(正しい) | f=√2 f0 の交点では、減衰によらず伝達率はちょうど1です。 |
| (5) | ×(誤り) | 防振域では減衰が小さいほど伝達率も小さくなります。大きくなるは逆です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
誤りは、防振域での減衰の効果を逆にした点です。加振振動数が固有振動数の√2倍を超える防振域では、伝達率は1より小さくなって絶縁が働きます。この領域では、減衰比が小さいほど伝達率が小さく(絶縁が良く)なり、減衰を大きくすると伝達率は逆に大きく(絶縁が悪く)なります。つまり「減衰比が小さいほど大きくなる」は向きが真逆で、防振域では減衰のかけ過ぎがむしろ不利になります。
覚え方
- 力の伝達率は加振/固有の比で決まる。
- f=√2 f0 が境目(伝達率=1、減衰によらない)。これより上が防振域。
- 防振域では減衰は控えめが有利(かけ過ぎると絶縁が悪化)。
理解度チェック
Q.
力の振動伝達率が減衰によらずちょうど1になるのは、加振振動数がいくらのときか?
f=√2 f0のときです。ここが防振域の入口の目安になります。
Q.
防振域では、減衰を大きくすると伝達率はどうなるか?
大きくなり絶縁が悪くなります。防振域では減衰は控えめのほうが有利です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月