令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|動吸振器の設計
令和2年度 騒音・振動特論 問18は、共振してしまった機械に動吸振器を付けるときの、系の固有振動数と付加ばねのばね定数を求める計算問題です。正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
動吸振器は、付加した質量とばねの固有振動数を「抑えたい振動数」に同調させて取り付けます。ここでは機械(質量500 kg・ばね定数500 kN/m)が運転時に共振したので、その共振振動数がねらいです。まず主系の固有振動数を出すと約5 Hz。付加質量は100 kgなので、これを同じ5 Hzに合わせるばね定数を逆算すると約100 kN/mになります。分かれ目は、固有振動数を主系から正しく求めることと、質量と剛性の比を主系にそろえることの二点です。答えは選択肢(2)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説(固有振動数/ばね定数) |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 5 Hz/50 kN/m。固有振動数は合うが、ばね定数が半分で同調しません。 |
| (2) | ○(正しい) | 5 Hz/100 kN/m。固有振動数・ばね定数とも整合します。 |
| (3) | ×(誤り) | 5 Hz/200 kN/m。ばね定数が過大で、付加系が5 Hzより高くなります。 |
| (4) | ×(誤り) | 10 Hz/300 kN/m。固有振動数が主系(約5 Hz)と合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | 10 Hz/400 kN/m。固有振動数もばね定数も過大です。 |
計算の手順
- 主系の固有角振動数:ω=√(k/m)=√(500000÷500)=√1000 ≈ 31.6 rad/s。
- 固有振動数:f=ω÷(2π)=31.6÷6.28 ≈ 5.0 Hz。運転時に共振したので、加振振動数も約5 Hz。
- 付加質量 100 kg のばね定数を同じ5 Hzに同調:ka=ma×ω2=100×1000=100000 N/m=100 kN/m。
- したがって 系の固有振動数 約5 Hz、ばね定数 約100 kN/m = 選択肢(2)。
質量の比で考えると分かりやすく、付加質量100 kgは主系500 kgの1/5なので、同じ固有振動数にするにはばね定数も主系500 kN/mの1/5=100 kN/mとすればよい、と検算できます。
覚え方
- 固有振動数=(1/2π)√(k/m)。
- 動吸振器は「抑えたい振動数に同調」=付加系の k/m を主系の k/m に合わせる。
- 質量を1/5にしたら剛性も1/5(5 Hz→100 kN/m)。
理解度チェック
Q.
質量500 kg・ばね定数500 kN/mの系の固有振動数はおよそ何Hzか?
√(500000/500)=√1000≈31.6 rad/s、2πで割って約5 Hzです。
Q.
付加質量100 kgを5 Hzに同調させるばね定数はいくらか?
k=mω2=100×1000=100000 N/m、すなわち100 kN/mです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月