令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問16を解説|環境騒音の表示・測定
令和2年度 騒音・振動特論 問16は、環境騒音の表示・測定方法を定めたJIS Z 8731:2019に関する問題です。用語の定義や屋外測定の注意点のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この規格はISO 1996を土台に、環境騒音を測るときの用語と方法をそろえたものです。引っかけの核心は、騒音の種類を表す言葉の入れ替えにあります。「総合騒音からすべての特定騒音を除いた残り」は残留騒音であって、これを背景騒音と呼ぶと定義がすり替わります。総合騒音・特定騒音・残留騒音・背景騒音の関係を押さえれば、名前を取り違えた選択肢(4)が見抜けます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ISO 1996‑1・1996‑2を基にした日本産業規格であることは規格の位置づけどおりです。 |
| (2) | ○(正しい) | 単発騒音暴露レベルは、続く時間が限られた単発の音のエネルギー総量を評価する量です。 |
| (3) | ○(正しい) | 総合騒音は、ある場所・ある時刻に存在する総合的な騒音を指します。 |
| (4) | ×(誤り) | 総合騒音から特定騒音を除いた残りは残留騒音で、背景騒音の定義ではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 反射の影響を小さくしたいときは、地面以外の反射物から3.5 m以上離して測るのが原則です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
誤りは「総合騒音からすべての特定騒音を除いた残り=背景騒音」とした点です。総合騒音(その場・その時刻に存在する全部の音)から、評価したい特定騒音を取り除いた残りは残留騒音と呼びます。背景騒音(暗騒音)は「対象とする音がないときにその場所に存在する音」を指す別の言葉で、両者を同じ定義でくくることはできません。残りの騒音を残留騒音ではなく背景騒音と書き換えたところが、この選択肢の落とし穴です。
覚え方
- 総合騒音=その場・その時刻の全部の音。
- 残留騒音=総合騒音から特定騒音を引いた残り(背景騒音ではない)。
- JIS Z 8731はISO 1996がベース、反射物から3.5 m以上離して測る。
理解度チェック
Q.
総合騒音から特定騒音を除いた残りの騒音を何と呼ぶか?
残留騒音です。背景騒音は「対象の音がないときに存在する音」を指す別の用語です。
Q.
屋外測定で反射の影響を抑えたいとき、反射物からどれくらい離すか?
可能な限り、地面以外の反射物から3.5 m以上離した位置で測ります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月