令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問14を解説|FFT分析
令和2年度 騒音・振動特論 問14は、FFT方式の分析に関する問題です。示された記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
FFT分析は、周波数軸を等間隔に刻む定幅(一定周波数幅)分析です。定比幅のオクターブ分析とは逆の性質を持つ点が引っかけの核心になります。ホワイトノイズは各周波数線で平坦になり、ピンクノイズは-3 dB/octで下がります。選択肢(4)がピンクノイズを「-6 dB/oct」で低下するとしていて、そこが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | サンプリング周波数により分析できる上限周波数が決まります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 周波数分解能は、サンプリング周波数とFFTポイント数で決まります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 定幅分析なので、ホワイトノイズは周波数に対して平坦になります。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | ピンクノイズは定幅FFTでは-3 dB/octで低下し、-6 dB/octではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 分析結果の側帯波成分を抑えるために窓関数を用います。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
ピンクノイズは、1オクターブあたりのエネルギーが一定になる音です。FFTは周波数幅が一定の定幅分析なので、周波数が2倍になる(1オクターブ上がる)と、その帯域を分け合う周波数線が2倍に増え、1本あたりのエネルギーは半分=-3 dB/octで低下します。選択肢(4)の-6 dB/octは下がりすぎで誤りです。なお、定比幅のオクターブ分析ならピンクノイズは平坦になり、FFTとは傾きの出方が逆になります。
覚え方
- FFT=定幅分析。ホワイト平坦・ピンク-3 dB/oct。
- 定比幅(オクターブ)分析はホワイト+3 dB/oct・ピンク平坦(FFTと逆)。
- 分解能Δf=サンプリング周波数÷FFTポイント数。
理解度チェック
Q.
FFT(定幅分析)でピンクノイズを分析すると、周波数に対してどう変化するか?
-3 dB/octで低下します。オクターブが上がるほど周波数線が増え、1本あたりのエネルギーが半分になるためです。
Q.
分析結果の側帯波成分を減らすために使うものは何か?
窓関数です。切り出した波形の両端をなめらかにして、漏れによる側帯波を抑えます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月