令和2年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問1を解説|膨張形消音器の伝達損失
令和2年度 騒音・振動特論 問1は、膨張形消音器の伝達損失に関する計算問題です。最大の伝達損失が15 dB以上になるという仕様を満たす膨張比のうち、最も小さい値を選びます。
この問題のポイント
膨張形消音器の伝達損失は、膨張比 m が大きいほど大きくなります。与えられた式で sin²(kl) が最大=1 になるときが、その消音器で得られる伝達損失の最大値です。したがって、まず sin²(kl)=1 とおいた「最大伝達損失」の式に各膨張比を入れ、15 dB以上になる最小の m を探すのが解き方です。分かれ目は、5つの候補を小さい順に試し、初めて15 dBを超える値を答えにする点です。膨張比だけを見て直感で選ぶと外します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の判定
| 選択肢 | 最大伝達損失(約) | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 約2 dB | ×(誤り)15 dBに大きく届きません。 |
| (2) | 約7 dB | ×(誤り)15 dBに届きません。 |
| (3) | 約12 dB | ×(誤り)あと一歩で15 dBに届きません。 |
| (4) | 約18 dB | ○(正しい)15 dB以上を満たす最小の膨張比です。 |
| (5) | 約24 dB | ×(誤り)条件は満たしますが最小ではありません。 |
ここが分かれ目
最大伝達損失は、式の sin²(kl) を1にした R=10 log[1+(1/4)(m−1/m)²] で決まります。15 dB以上という条件は、この[ ]の中が 10^1.5≒31.6 以上、と同じ意味です。膨張比を小さい順に試すと、m=8では[ ]が約16.5にしかならず15 dBに届かず不足、m=16で約64.5となり初めて条件を満たします。引っかけは、膨張比が大きいほど有利だから32を選ぶという早合点です。問われているのは「条件を満たす最小の膨張比」なので、答えは16になります。
覚え方
- 膨張形消音器の最大伝達損失=sin²(kl)=1のときの値。
- 伝達損失は膨張比 m が大きいほど大きい((m−1/m)² で効く)。
- 「最も小さい膨張比」を問われたら、小さい順に試し最初に条件を満たす値。
理解度チェック
膨張形消音器で最大の伝達損失が得られるのはどんなときか?
式の sin²(kl) が最大の1になるときです。この部分が最大になると伝達損失も最大になります。
条件を満たす32ではなく16を答えにするのはなぜか?
32も15 dB以上を満たしますが、より小さい16でも満たすからです。問いは「条件を満たす最小の膨張比」を求めています。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月