令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問21を解説|振動伝達率と付加質量
令和元年度 騒音・振動特論 問21は、弾性支持系の振動伝達率を下げるために、支持ばねを変えずに架台へ付加する質量を求める計算問題です。伝達率を0.25から0.2にするのに必要な質量が約何kgかを求めます。
この問題のポイント
減衰のない系で共振より上(伝達率が1より小さい領域)では、伝達率T=1/|(f/fn)2−1|です。ばねを変えないので固有振動数は質量だけで決まり、(f/fn)2は質量に比例します。つまり1/T+1が質量に比例すると読み替えれば、比の計算だけで付加質量が出ます。ばね定数や回転数の値は不要で、伝達率の変化を質量比に置き換えるのが近道です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 100kgでは質量比が足りず、伝達率0.2に届きません。 |
| (2) | ×(誤り) | 150kgは計算値と一致しません。 |
| (3) | ○(正しい) | 総質量1000→1200kg(+200kg)で伝達率が0.25→0.2になり、一致します。 |
| (4) | ×(誤り) | 250kgは質量比を過大にとった値で、一致しません。 |
| (5) | ×(誤り) | 300kgは計算値と一致しません。 |
計算の手順
共振より上では1/T=(f/fn)2−1です。初期は1/0.25=4なので(f/fn)2=5、目標は1/0.2=5なので(f/fn)2=6です。ばねが同じなら(f/fn)2は質量に比例するので、質量比は6/5=1.2倍。現在の総質量は200+800=1000kgだから、必要な総質量は1000×1.2=1200kgです。よって付加質量は1200−1000=約200kgとなり、選択肢(3)が正解です。回転数やばね定数を代入する必要はなく、伝達率の逆数+1の比だけで解けます。
覚え方
- 共振より上の伝達率=T=1/|(f/fn)2−1|。
- ばね一定なら(f/fn)2は質量に比例。1/T+1で質量比を作る。
- 付加質量=新しい総質量 − 元の総質量。回転数・ばね定数は不要。
理解度チェック
Q.
ばねを変えずに質量を増やすと、伝達率はどうなる?
小さくなります。固有振動数が下がってf/fnが大きくなり、防振効果が高まるためです。
Q.
伝達率0.25と0.2は、(f/fn)2でいうといくつ?
それぞれ5と6です(1/T+1)。質量比は6/5=1.2倍になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月