令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問17を解説|地盤振動の振幅減衰
令和元年度 騒音・振動特論 問17は、均一な地面に衝撃振動を加えたときに地盤を伝わる波の振幅減衰に関する問題です。振動源からの距離rに対する減衰の表し方として、正しいものを選びます。
この問題のポイント
地盤を伝わる波は、種類と伝わる場所で幾何減衰の速さが決まっています。地中を球状に広がる体積波(P波・S波)は距離rに反比例(r−1)、地表面を伝わる体積波はさらに速くr−2、そして地表面を円状に広がる表面波(レイリー波)はr−1/2と、いちばん緩やかに減衰します。分かれ目は「表面波は距離に強い=ゆっくり減る」という点で、正しく対応づけているのは選択肢(3)だけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 地表の体積波(P波)はr−2で減衰します。r−1は地中の体積波の減衰です。 |
| (2) | ×(誤り) | 地表の体積波(S波)もr−2です。r−1/2は表面波の減衰です。 |
| (3) | ○(正しい) | 地表を伝わるレイリー波(表面波)はr−1/2で、最も緩やかに減衰します。 |
| (4) | ×(誤り) | 地中の体積波(P波)はr−1で減衰します。r−1/2ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 地中の体積波(S波)もr−1です。r−2は地表の体積波の減衰です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが正しい)
幾何減衰は「エネルギーがどんな面に広がるか」で決まります。地中の体積波は球面(面積∝r2)に広がるので振幅はr−1、それが地表面に現れるとr−2とさらに速く減ります。一方でレイリー波は地表面を円周(長さ∝r)に沿ってドーナツ状に広がるため、エネルギー密度の減りが遅く、振幅はr−1/2と最も緩やかです。実際の地盤振動が遠くまで届く主因が表面波なのは、この減衰の遅さのためです。距離依存の指数を「体積波と表面波」「地中と地表」で取り違えさせるのが引っかけです。
覚え方
- 地中の体積波(P・S)=r−1、地表の体積波=r−2、表面波(レイリー)=r−1/2。
- 遠くまで届くのは表面波(減衰が最も緩やか)。
- 指数が小さい(絶対値が小さい)ほど、距離に対して振幅が粘る。
理解度チェック
Q.
地表を伝わるレイリー波の振幅は、距離rに対してどう減衰する?
r−1/2に比例して減衰します。表面波は地表を円状に広がるため、体積波より緩やかに減ります。
Q.
地中を伝わる体積波(P波・S波)の振幅減衰は?
r−1に比例します。球面状に広がるためで、地表面に現れるとr−2とさらに速くなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月