令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問10を解説|オクターブバンド音圧レベル
令和元年度 騒音・振動特論 問10は、ある騒音を1/3オクターブバンド分析した表から、中心周波数1000 Hzのオクターブバンド音圧レベルが75 dBのとき、抜けている値 x を求める計算問題です。
この問題のポイント
1つのオクターブバンドは、隣り合う3本の1/3オクターブバンドを束ねたものです。中心1000 Hzのオクターブバンドは、1/3オクターブでいう800・1000・1250 Hzの3本を合わせた範囲にあたります。音のレベルはエネルギー(パワー)で足し算するので、オクターブバンドのレベルは3本のエネルギーの和です。分かれ目は、3本のレベルをそのまま平均せず、エネルギーに直して和を作ること。全体75 dBから既知の2本を差し引いて逆算すると x は約72 dBとなり、選択肢(3)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 68 dBでは3本のエネルギー和が75 dBに届きません。 |
| (2) | ×(誤り) | 70 dBもエネルギー和がやや不足します。 |
| (3) | ○(正しい) | x≒72 dB。800・1000・1250 Hzのエネルギー和が約75 dBになります。 |
| (4) | ×(誤り) | 74 dBでは和が75 dBを超えてしまいます。 |
| (5) | ×(誤り) | 76 dBでは和が明らかに過大です。 |
選択肢(3)を導く手順
中心1000 Hzのオクターブバンドに含まれる1/3オクターブは、800 Hz(69 dB)、1000 Hz(x dB)、1250 Hz(69 dB)です。エネルギーで合成すると全体が75 dBになります。
- 全体のエネルギー:1075/10(相対値で 3.16×107)。
- 既知2本の和:2×1069/10 = 2×(7.94×106)= 1.59×107。
- xのエネルギー:3.16×107 − 1.59×107 = 1.57×107。
- x = 10 log(1.57×107)≒ 72 dB。
ひっかけは、3本のレベルをそのまま算術平均してしまうことです。dBはエネルギーに直して足し引きします。
覚え方
- 1オクターブバンド=1/3オクターブバンド3本のエネルギー和。
- 合成・逆算は必ずエネルギー(10L/10)で行う。算術平均は不可。
- 1000 Hzオクターブに入る1/3オクターブ=800・1000・1250 Hz。
理解度チェック
Q.
中心1000 Hzのオクターブバンドには、どの1/3オクターブバンドが含まれるか?
800・1000・1250 Hzの3本です。これらのエネルギー和がオクターブバンドのレベルになります。
Q.
3本の1/3オクターブのレベルを合成するとき、算術平均でよいか?
いいえ。各レベルをエネルギー10L/10に直して和をとり、対数に戻します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月