令和元年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問6を解説|総合音響透過損失
令和元年度 騒音・振動特論 問6は、面積24 m²の壁に窓2つ(各2 m²)とドア1つ(2 m²)を付けたとき、壁面の総合音響透過損失が約何 dB減少するかを求める計算問題です。壁40 dB、窓20 dB、ドア10 dBとします。
この問題のポイント
音響透過損失は透過率で合成するのがコツです。透過損失をそのまま平均してはいけません。まず各部位の透過損失を透過率(音がどれだけ通り抜けるか)に直し、面積で重みづけした平均をとってから、平均透過率を透過損失に戻します。透過率の大きい(=弱い)窓とドアが全体を大きく引き下げるのがポイントです。求めた総合透過損失を、壁だけのときの40 dBと比べると約20 dBの低下となり、選択肢(4)になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 約5 dBは低下を小さく見すぎです。 |
| (2) | ×(誤り) | 約10 dBも透過率合成の結果と合いません。 |
| (3) | ×(誤り) | 約15 dBは総合透過損失を高く見積もりすぎです。 |
| (4) | ○(正しい) | 総合透過損失約20 dB。壁40 dBとの差=約20 dBの低下です。 |
| (5) | ×(誤り) | 約25 dBは低下を大きく見すぎています。 |
選択肢(4)を導く手順
透過率 τ = 10−TL/10 で各部位を求め、面積で重みづけして平均します。開口を付けたあとの内訳は、壁18 m²・窓4 m²・ドア2 m²(合計24 m²)です。
- 壁:τ = 10−40/10 = 0.0001、面積18 m² → 18×0.0001 = 0.0018。
- 窓:τ = 10−20/10 = 0.01、面積4 m² → 4×0.01 = 0.04。
- ドア:τ = 10−10/10 = 0.1、面積2 m² → 2×0.1 = 0.2。
- 平均透過率:(0.0018+0.04+0.2)÷24 = 0.2418÷24 ≒ 0.0101。
- 総合透過損失:10 log(1/0.0101)≒ 10 log 99 ≒ 20 dB。
壁だけなら40 dBだったので、窓とドアを付けると 40 − 20 = 約20 dB低下します。透過損失を面積比でそのまま平均するのは誤り。必ず透過率に直してから合成します。
覚え方
- 総合透過損失は透過率を面積で加重平均してから dBに戻す。
- 透過率が大きい(弱い)部位が全体を支配する。小さな窓・ドアが効く。
- 透過損失そのものを面積平均してはいけない。
理解度チェック
Q.
総合音響透過損失を求めるとき、平均するのは透過損失か透過率か?
透過率です。各部位の透過率を面積で加重平均し、その平均透過率を透過損失に戻します。
Q.
なぜ小さな窓やドアが全体の遮音を大きく下げるのか?
透過損失が小さい部位は透過率が大きく、面積が小さくても音を多く通すためです。弱い部分が総合値を支配します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月