令和4年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問22を解説|振動の人体への影響
令和4年度 騒音・振動概論 問22は、振動が人体や住まいに与える影響に関する問題です。5つの記述のうち、不適当なものを選びます。
この問題のポイント
振動の影響は、生理的影響が出始める目安(振動レベルで90 dB以上)、影響を決める物理的因子(大きさ・周波数・方向・暴露時間)、睡眠が浅いほど小さな振動で妨げられること、不快さを含む総合的な感覚として認識されることなどが基本です。分かれ目は住宅の共振の話。2階床の鉛直方向の共振は、建物全体の固有振動数ではなく、床組そのものの固有振動数付近で増幅します。共振の主語を「住宅(建物全体)」に取り違えた記述が不適当です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(適当) | 人体に有意な生理的影響が生じ始める目安は、振動レベルで90 dB以上とされています。 |
| (2) | ○(適当) | 影響を決める物理的因子は、大きさ・周波数・方向・暴露時間が重要です。 |
| (3) | ○(適当) | 睡眠が浅いほど、小さい振動レベルでも睡眠妨害が生じやすくなります。 |
| (4) | ○(適当) | 心理的影響は、不快さや煩わしさを含む総合的な振動感覚として認識されます。 |
| (5) | ×(不適当) | 2階床の鉛直方向の共振は、建物全体ではなく床組自体の固有振動数付近で増幅します。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
木質系の2階建て住宅で、2階の床が上下(鉛直方向)に揺れて増幅するのは事実ですが、その共振を支配するのは建物全体の固有振動数ではなく、2階の床組そのものがもつ固有振動数です。床は建物の骨組みとは別に、それ自体がばねと質量の系として振る舞い、その固有振動数付近の加振を受けると大きく揺れます。選択肢(5)は共振の主語を「住宅(建物全体)の固有振動数」としており、揺れの正体である床の固有振動数と取り違えている点が不適当です。生理的影響の目安、物理的因子、睡眠妨害と睡眠深度の関係、心理的影響の記述(選択肢(1)〜(4))は、いずれも基本どおりです。
覚え方
- 2階床の鉛直共振を決めるのは床組自体の固有振動数(建物全体ではない)。
- 生理的影響が出始める目安=振動レベル90 dB以上。
- 影響を決める物理的因子=大きさ・周波数・方向・暴露時間。
理解度チェック
2階床の鉛直方向の共振増幅は、何の固有振動数付近で起こる?
床組そのものの固有振動数付近です。建物全体の固有振動数と取り違えないようにします。
振動の人体影響を決める物理的因子を4つ挙げると?
大きさ・周波数・方向・暴露時間です。これらの組合せで影響の程度が変わります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月