令和5年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問12を解説|活性汚泥の必要酸素量
令和5年度 汚水処理特論 問12は、活性汚泥処理施設の必要酸素量を式に当てはめて求める計算問題です。最も近い値を選びます。
この問題のポイント
活性汚泥が消費する酸素は、二つの目的に分けて考えます。一つは取り除いたBODを分解してエネルギーを得るための酸素、もう一つは汚泥そのものが生きるために自分を分解する内生呼吸の酸素です。これを式 X=a′Lr+b′Sa で表します。計算の分かれ目は、Lrに入れるのは流入BODそのものではなく「除去率を掛けた除去BOD量」であることと、Saは濃度ではなく曝気槽の容量を掛けた汚泥の総量(kg)であることです。単位をkg/日に揃えて代入すれば素直に解けます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 必要酸素量 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 19 kg/日 | 小さすぎます。内生呼吸の項(b′Sa)を足し忘れると近い値になります。 |
| (2) | 24 kg/日 | 正解。除去BOD項14.25kg/日と内生呼吸項10kg/日を足して約24kg/日になります。 |
| (3) | 29 kg/日 | 過大です。除去率95%を掛けず流入BODそのままで計算すると大きくなります。 |
| (4) | 34 kg/日 | 過大です。係数や汚泥量の扱いがずれると出やすい値です。 |
| (5) | 39 kg/日 | 大きすぎます。両項とも過大に見積もると近い値になります。 |
選択肢(2)のポイント(計算の手順)
式 X=a′Lr+b′Sa に、a′=0.5、b′=0.1 を使って代入します。
- 除去BOD量 Lr:流量100m³/日 × 流入BOD300mg/L × 除去率0.95。100×300mg/L=30kg/日が流入BOD量で、その95%が除去されるので Lr=28.5kg/日。
- 曝気槽内汚泥量 Sa:曝気槽容量50m³ × MLSS2000mg/L =100kg。濃度ではなく容量を掛けた総量を使います。
- 除去BODの項:a′Lr=0.5×28.5=14.25kg/日。
- 内生呼吸の項:b′Sa=0.1×100=10kg/日。
- 合計:14.25+10=24.25 → 約24kg/日。
引っかけの核心は、Lrに除去率0.95を掛け忘れて流入BOD30kg/日のまま使うことと、Saを濃度の数字のまま扱うことです。除去BODと汚泥総量を正しく作れば(2)に収束します。
覚え方
- 必要酸素量=a′×除去BOD + b′×汚泥総量(分解の酸素+内生呼吸の酸素)。
- Lrは流入BODに除去率を掛けた量。Saは容量×濃度のkg。
- 単位をkg/日に揃えてから代入する。
理解度チェック
Q.
式 X=a′Lr+b′Sa の二つの項はそれぞれ何の酸素を表す?
第1項 a′Lr は除去したBODを分解してエネルギーを得るための酸素、第2項 b′Sa は汚泥が生きるための内生呼吸の酸素です。
Q.
Lr(除去BOD量)に流入BODをそのまま入れてよい?
いけません。除去率を掛けた量を使います。本問では流入BOD30kg/日に95%を掛けて28.5kg/日とします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月