令和3年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問16を解説|生物的硝化脱窒素法
令和3年度 汚水処理特論 問16は、生物的硝化脱窒素法に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
窒素の生物処理は、好気の硝化(アンモニア→亜硝酸→硝酸、独立栄養菌が担当)と、無酸素の脱窒(硝酸→窒素ガス、従属栄養菌が担当)の二段構えです。この問題の分かれ目はアルカリの出入り。硝化の全体ではアルカリを消費しますが、その消費が起きるのはアンモニアから亜硝酸への段階で、亜硝酸から硝酸への段階では水素イオンの出入りがなくアルカリを消費しません。ここを取り違えさせるのが引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | アンモニアから亜硝酸態窒素への反応はNitrosomonas sp.が関与します。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 亜硝酸から硝酸への反応はアルカリを消費しません。アルカリを消費するのはアンモニアから亜硝酸への段階です。 |
| (3) | ○(正しい) | 硝化は独立栄養で進むため、有機物(水素供与体)を必要としません。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 亜硝酸から窒素への脱窒には通性嫌気性細菌が関与します。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 硝酸から窒素への脱窒ではアルカリが生成されます。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
硝化を全体で見るとアルカリ度(炭酸水素塩)を消費しますが、その消費はアンモニア酸化(アンモニア→亜硝酸)の段階で水素イオンが放出されることによって起こります。次の亜硝酸酸化(亜硝酸→硝酸)は酸素が付加するだけの反応で、水素イオンの出入りがなく、アルカリ度を消費しません。選択肢(2)は「亜硝酸から硝酸への反応でアルカリが消費される」と述べている点が誤りで、アルカリを消費する段階を取り違えています。なお脱窒(硝酸→窒素)ではアルカリが生成するので、硝化で減ったアルカリの一部が回復します。
覚え方
- アルカリを消費するのはアンモニア→亜硝酸の段階。亜硝酸→硝酸は消費しない。
- 硝化=好気・独立栄養・水素供与体不要。脱窒=無酸素・従属栄養・アルカリ回復。
- アンモニア酸化はNitrosomonas、脱窒は通性嫌気性細菌。
理解度チェック
Q.
硝化でアルカリを消費するのはどの段階?
アンモニアから亜硝酸への段階です。ここで水素イオンが放出され、アルカリ度が消費されます。亜硝酸から硝酸への段階では消費しません。
Q.
硝化に有機物(水素供与体)は必要?
不要です。硝化は独立栄養菌が担うため、有機物を必要としません。有機物が要るのは脱窒(従属栄養)の側です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月