令和3年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問4を解説|APIオイルセパレーター
令和3年度 汚水処理特論 問4は、APIオイルセパレーターによる油滴の浮上分離に関する計算問題です。100 %の油滴を分離するのに必要最小限の槽の長さ(m)を求めます。
この問題のポイント
浮上分離では、油滴が水面まで浮上するのにかかる時間と、その間に水流とともに水平に流される距離を比べます。ポイントは、油滴が槽の底から水面まで浮上し終える前に槽の出口に達してはならないという点です。深さを浮上速度で割れば浮上に要する時間が出て、その時間に水平流速をかければ、油滴が流されてしまう水平距離=必要な槽長が求まります。速度の単位(cm/s と m/min)を揃えることが計算の入口です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
計算の手順
単位をcm/sに揃えます。浮上速度vr=0.12 cm/s。水平流速vh=0.72 m/min=72 cm/min=1.2 cm/s。
深さ2.0 m=200 cmを浮上するのにかかる時間は、t=200 ÷ 0.12 =約1667 s。この間に水平に流される距離が必要な槽長です。
L=vh×t=1.2 cm/s × 1667 s =約2000 cm=20 m。
同じことは比でも出せます。L=深さ×(水平流速÷浮上速度)=2.0 m×(1.2÷0.12)=2.0 m×10=20 m。よって選択肢(3)です。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 16 m。速度比10・深さ2.0 mから20 mになり合いません。 |
| (2) | ×(誤り) | 18 m。単位換算の途中で値がずれた場合の誤答です。 |
| (3) | ○(正しい) | 20 m。深さ2.0 m×(水平流速÷浮上速度=10)=20 mで一致します。 |
| (4) | ×(誤り) | 22 m。速度比を取り違えた場合の値で合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | 24 m。過大で、正しい速度比では20 mです。 |
ここが分かれ目
つまずきやすいのは単位換算です。浮上速度はcm/s、水平流速はm/minで与えられているので、そのまま割ると桁を間違えます。0.72 m/minを1.2 cm/sに直してから、深さ200 cmを浮上速度0.12 cm/sで割り、その時間に水平流速をかけます。要は「深さ×(水平流速÷浮上速度)」で、この速度比が10ちょうどになるので、深さ2.0 mの10倍で20 mと素早く出せます。
覚え方
- 浮上分離の必要槽長=深さ×(水平流速÷浮上速度)。
- 油滴が浮上し終える前に出口に達してはならない、が設計の条件。
- まず単位をcm/sなどに統一してから割る。
理解度チェック
必要な槽の長さはどう求める?
深さ×(水平流速÷浮上速度)です。油滴が水面へ浮上し終わるまでの時間に流される水平距離が槽長になります。
0.72 m/minはcm/sで何になる?
1.2 cm/sです。72 cm/min÷60=1.2 cm/s。浮上速度0.12 cm/sとの比は10です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月