令和3年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問3を解説|凝集分離
令和3年度 汚水処理特論 問3は、凝集分離に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
凝集分離は、そのままでは沈まない微細な粒子(コロイド)に凝集剤を加えて電荷を中和し、フロックとして大きく育ててから沈める操作です。引っかけの核心は、凝集を使わずに分離できる粒子の大きさです。普通沈殿や砂ろ過だけで分離できるのはもっと大きい粒子で、0.1 µm程度の微粒子はコロイドの領域にあり、凝集を経ないと分離できません。この「凝集が要る/要らない」の境界を大きく取り違えさせるのが誤り肢の作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 0.1 µm程度の微粒子はコロイドで、凝集を使わないと普通沈殿や砂ろ過では分離できません。 |
| (2) | ○(正しい) | ジャーテストでは急速撹拌のあと、羽根の回転数を下げてフロックを育てます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 電荷を中和された粒子は凝集し、粒子の個数密度が高いほど衝突が増えて凝集が速まります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 水平流形の凝集沈殿装置はフラッシュミキサー・フロキュレーター・沈殿池で構成されます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 大きな既成フロックを漂わせておくと粒子が接触しやすくなり、凝集反応が速まります。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
普通沈殿や砂ろ過だけで水から分離できるのは、比較的大きな懸濁粒子です。粒径が0.1 µm程度まで小さくなるとコロイドの領域に入り、粒子どうしが電気的に反発し合って安定に漂うため、そのままでは沈まずろ材のすき間もすり抜けます。ここで凝集剤を加えて表面電荷を中和し、フロックとして大きく育てる操作が必要になります。選択肢(1)は「0.1 µm程度以上のものは凝集を使わなくても分離できる」として、凝集が要る微粒子まで凝集不要としている点が誤りです。
覚え方
- コロイド(0.1 µm級)は凝集しないと沈まない。普通沈殿・砂ろ過では通り抜ける。
- ジャーテストは急速撹拌→緩速撹拌(回転を下げる)でフロックを育てる。
- 凝集は粒子が多い・既成フロックが多いほど速い(接触が増える)。
理解度チェック
Q.
0.1 µm程度の微粒子は普通沈殿や砂ろ過で分離できる?
できません。コロイド領域なので凝集剤で電荷を中和し、フロックに育ててから分離します。
Q.
ジャーテストで薬品を入れて数分後、撹拌はどうする?
羽根の回転数を下げます。急速撹拌で分散させたあと、緩速撹拌でフロックを大きく育てます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月