令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問14を解説|SRTの計算
令和2年度 汚水処理特論 問14は、活性汚泥法の汚泥生成量の式からSRT(汚泥滞留時間)を求める計算問題です。定常状態での比増殖速度がSRTの逆数に近似できるという前提を使い、最も近い値を選びます。
この問題のポイント
汚泥生成量は「増える分(除去BODが汚泥に変わる)」から「減る分(内生呼吸による自己酸化)」を差し引いて決まります。定常状態では、汚泥の比増殖速度(生成量を槽内汚泥量で割った値)がSRTの逆数に等しくなる、という関係が計算の軸です。引っかけの核心はBOD-SS負荷に除去率を掛けて「除去BODの割合」に直すひと手間で、供給BODのまま計算すると値がずれます。転換率aと自己酸化率bを式へ順に当てはめれば答えにたどり着きます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 比増殖速度は、汚泥生成式 DS = a・Lr − b・Sa の両辺を槽内汚泥量 Sa で割って求めます。
DS/Sa = a・(Lr/Sa) − b。 - Lr/Sa は「除去BOD量 ÷ 槽内汚泥量」です。BOD-SS負荷(供給BOD ÷ 槽内汚泥量)が 0.4、BOD除去率が 95 % なので、
Lr/Sa = 0.4 × 0.95 = 0.38(1/日)。 - a=0.5、b=0.05 を代入します。
DS/Sa = 0.5 × 0.38 − 0.05 = 0.19 − 0.05 = 0.14(1/日)。 - 定常状態では 比増殖速度=1/SRT なので、
SRT = 1 ÷ 0.14 ≒ 7.1 日。最も近いのは選択肢(2)の7です。
覚え方
- 定常状態では比増殖速度=SRTの逆数。まず1/SRTを出して逆数を取る。
- 除去BODの割合は、BOD-SS負荷に除去率を掛ける(供給BODのまま使わない)。
- 汚泥の正味の増え方=転換で増える分−自己酸化で減る分。
理解度チェック
Q.
定常状態でSRTはどう求める?
比増殖速度(DS/Sa)を先に計算し、その逆数を取ります。この問題では0.14の逆数で約7日です。
Q.
Lr/Sa を出すとき、BOD-SS負荷にまず何を掛ける?
BOD除去率(95 %=0.95)です。供給BODのうち実際に除去された分だけが汚泥に転換されるためで、0.4×0.95=0.38となります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月