令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問15を解説|活性汚泥法とメタン発酵法
令和2年度 汚水処理特論 問15は、好気処理の活性汚泥法と嫌気処理のメタン発酵法(慣用法・UASB法)を比べた表の空欄A〜Cに入る数値の組合せを選ぶ問題です。最も適切な組合せを選びます。
この問題のポイント
好気か嫌気かで、滞留時間・槽内汚泥濃度・沈降性の桁が変わります。嫌気のメタン発酵は分解がゆっくりで滞留時間が長く、なかでもUASB法は微生物を粒状(グラニュール)に育てて槽内にため込むため、汚泥濃度も沈降性も飛び抜けて高いのが特徴です。分かれ目はこのUASB法の汚泥濃度の桁と、フロックで沈む活性汚泥の沈降性の大きさを取り違えないことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各空欄に入る数値
| 空欄 | 入る数値 | 読み解き |
|---|---|---|
| A | 10〜30(日) | メタン発酵の慣用法(消化槽)は分解がゆっくりで、滞留時間は日単位で長い。活性汚泥法の「1以下」やUASBの「1〜3」より大きい。 |
| B | 50000程度(mg/L) | UASB法はグラニュール汚泥を槽内に高密度でため込むため、汚泥濃度は慣用法の「10000程度」より一段高い。 |
| C | 2程度(mm/s) | 活性汚泥はフロックで穏やかに沈む。グラニュールのUASB(10〜20)ほど速くはない。 |
ここが分かれ目
ひっかかりやすいのはB(UASB法の槽内汚泥濃度)です。慣用法の10000程度と同じと考えると選択肢(5)を選んでしまいますが、UASB法は粒状(グラニュール)汚泥を密に保持するため汚泥濃度が桁違いに高く、50000程度になります。あわせてCは沈みやすいグラニュールのUASB(10〜20)と混同しやすい欄ですが、ここはフロックで穏やかに沈む活性汚泥なので2程度にとどまります。A(滞留時間10〜30日)まで満たすのは選択肢(4)だけです。
覚え方
- 嫌気メタン発酵は分解が遅く滞留時間が長い(日単位)。好気の活性汚泥は短い。
- UASB法=グラニュール汚泥。汚泥濃度も沈降性も最大級(濃度は50000程度)。
- 沈降性は「粒(速い)>フロック(穏やか)」。活性汚泥は穏やか側。
理解度チェック
Q.
UASB法の槽内汚泥濃度が高いのはなぜ?
微生物がグラニュール(粒状汚泥)に育ち、沈みやすく槽内に高密度で保持されるためです。だからBは50000程度になります。
Q.
活性汚泥法とメタン発酵法で滞留時間が長いのはどちら?
嫌気のメタン発酵法です。分解がゆっくりなので慣用法では10〜30日と長く、好気の活性汚泥法は1日以下です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月