令和2年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問9を解説|電気透析法
令和2年度 汚水処理特論 問9は、電気透析法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
電気透析法は、イオン交換膜を並べた槽に直流電圧をかけ、陽イオン・陰イオンを膜を通して移動させて溶解塩類を分離・除去する方法です。膜を汚す鉄・マンガンは前処理で除いておくことなども問われます。引っかけの核心は除去できる対象で、電気を帯びていない(非電解質の)コロイドや有機物まで「除去できる」としている点です。電気透析はイオンを動かして分けるしくみなので、電荷を持たない物質は膜を通して移動せず、除去の対象になりません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 膜を通してイオンが移動する現象を利用した方法です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | イオン交換樹脂を膜状に成型したイオン交換膜を用います。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 溶解している塩類の除去に用いられます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 水溶性電解質でないコロイド質や有機物を除去できる、とする点が誤りです。電荷を持たない物質は膜を移動せず、除去できません。 |
| (5) | ○(正しい) | 鉄やマンガンは膜に沈積して劣化の原因になるため、前処理で除いておくのがよいです。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
電気透析は、直流電圧でイオンを膜の向こうへ移動させて水から分ける方法です。動かす力は電荷にかかるので、除去できるのはイオン(電解質)に限られます。電気を帯びていない非電解質のコロイドや有機物は、電圧をかけても膜を通って移動しないため、電気透析では取り除けません。選択肢(4)は「非電解質のコロイドや有機物を除去できる」としている点が誤りで、正しくは除去できません。こうした物質は膜面に付着して劣化を招くこともあり、むしろ前処理で除いておく対象です。
覚え方
- 電気透析はイオン(電解質)だけを膜で移動させて除く。
- 電荷を持たないコロイド・有機物は除去できない。
- 鉄・マンガンは膜を劣化させるため前処理で除去。
理解度チェック
Q.
電気透析法で非電解質のコロイドや有機物は除去できる?
いいえ。電荷を持たない物質は膜を通して移動しないため除去できません。除けるのはイオン(電解質)です。
Q.
鉄やマンガンはなぜ前処理で除いておくのがよい?
膜に沈積して劣化の原因になるためです。あらかじめ除いておくと膜を長持ちさせられます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月