令和元年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問14を解説|種々の活性汚泥法
令和元年度 汚水処理特論 問14は、標準法をはじめとする種々の活性汚泥法の特徴に関する問題です。最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
活性汚泥法には、標準活性汚泥法とその変法(ステップエアレーション法・オキシデーションディッチ法・膜分離活性汚泥法・超深層曝気法など)があり、各方式は負荷・滞留時間・汚泥濃度・槽の形の組合せで性格が決まります。引っかけの核心は、ステップエアレーション法の汚泥滞留時間(SRT)を長く見せた数値です。ステップエアレーション法は流入を槽の長さ方向に分散させる標準活性汚泥法の一種で、SRTは標準法と同程度に短く運転します。ここへ低負荷方式のような長いSRTを当てはめると、それが誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 標準活性汚泥法のBOD汚泥負荷0.2〜0.4 kg BOD/(kg MLSS・日)は、標準的な運転範囲です。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | ステップエアレーション法の汚泥滞留時間を13〜50日とした点が誤りです。標準法系の方式で、実際のSRTはこれよりずっと短いです。 |
| (3) | ○(正しい) | 膜分離活性汚泥法は膜で汚泥を確実に保持でき、MLSSを8000〜12000 mg/Lの高濃度に制御できます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | オキシデーションディッチ法は低負荷・長時間曝気の方式で、曝気時間は24〜48時間です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 超深層曝気法は深い立坑を使う方式で、反応槽の水深は50〜150 mに及びます。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
ステップエアレーション法は、標準活性汚泥法の流入位置を1か所にまとめず、曝気槽の長さ方向に分散して流入させる変法です。負荷を槽全体にならして局所的な酸素不足を防ぐのが狙いで、性格としては標準活性汚泥法の仲間であり、SRTも標準法と同程度に短く運転します。選択肢(2)の「13〜50日」という長い汚泥滞留時間は、オキシデーションディッチ法のような低負荷・長SRTの方式に当てはまる領域で、ステップエアレーション法の値ではありません。方式の負荷レベルとSRTの長短が食い違っている点が、この選択肢の誤りです。
覚え方
- ステップエアレーション法=標準活性汚泥法の変法(流入分散)でSRTは短い。長SRTは低負荷方式の領域。
- 膜分離活性汚泥法は膜で汚泥保持=高MLSS運転が可能。オキシデーションディッチは長時間曝気。
- 低負荷ほどSRT長・曝気時間長、高負荷ほど短い、と負荷とSRTはセットで押さえる。
理解度チェック
ステップエアレーション法のSRTは、標準法より長い?同程度?
標準法と同程度で短いです。流入を分散させる標準活性汚泥法の変法なので、13〜50日のような長いSRTは当てはまりません。
膜分離活性汚泥法で高いMLSSに保てるのはなぜ?
膜で汚泥を確実にろ過保持できるからです。沈降性に頼らないため、MLSSを8000〜12000 mg/Lの高濃度で運転できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月