令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問11を解説|ダイオキシン類の毒性
令和2年度 ダイオキシン類概論 問11は、ダイオキシン類の毒性とTEF・TEQに関する正誤問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の毒性は、最も強い2,3,7,8-TeCDDを1とした毒性等価係数(TEF)で各異性体を相対評価し、濃度にTEFを掛けて足し合わせた毒性等量(TEQ)で全体を表します。ここでの引っかけは、コプラナーPCBのなかでTEFが最も高い異性体の名前です。TEF最高値0.1をもつのは3,3',4,4',5-PeCBであり、選択肢(4)はこれを2,3,3',4,4'-PeCBと取り違えている点が誤りです。数値の0.1自体は正しく、異性体名だけがすり替えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 発がん性・肝毒性・免疫毒性・生殖毒性などが指摘されている点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | TEFは2,3,7,8-TeCDDの毒性を1として各異性体の強さを表す係数だとする点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | TEQは各異性体濃度にTEFを乗じて総和して算出する、という点は正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | TEF最高値0.1をもつコプラナーPCBは3,3',4,4',5-PeCBです。「2,3,3',4,4'-PeCB」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 7種のPCDDs・10種のPCDFs・12種のコプラナーPCBsにTEFが与えられている点は正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
コプラナーPCBのなかで最も毒性が強く、TEFが0.1と与えられているのは3,3',4,4',5-PeCBです。この値は、TEF最高値が1であるPCDDやPCDFに比べれば小さく、選択肢の「PCDDs・PCDFsの最高値に比べて小さい」という説明自体は正しい向きです。誤っているのは異性体名で、TEF最高値をもつのが2,3,3',4,4'-PeCBだとしている点です。塩素の置換位置の並びが似た別異性体にすり替える、位置番号の引っかけになっています。数値と説明が合っていても、名前が別物という典型パターンです。
覚え方
- TEFの基準は2,3,7,8-TeCDD=1。TEQは濃度×TEFの総和。
- コプラナーPCBのTEF最高値は3,3',4,4',5-PeCBの0.1。
- TEFが与えられるのは7+10+12=29種類。
理解度チェック
コプラナーPCBでTEFが最も高い異性体とその値は?
3,3',4,4',5-PeCBで、TEFは0.1です。2,3,3',4,4'-PeCBではありません。
TEQはどう計算する?
各異性体の濃度にTEFを乗じ、それらを総和して求めます。基準物質は2,3,7,8-TeCDDです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月