令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問6を解説|吸着処理の基礎
令和7年度 ダイオキシン類特論 問6は、吸着処理の基礎に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸着は、物質が吸着剤の表面に集まる現象で、弱い力による物理吸着と、発熱過程であること、比表面積が大きいほど吸着量が増えることなど、基本的な性質を押さえておく問題です。引っかけの核心は吸着等温式の名前で、吸着量が濃度に単純比例する直線の式はHenry(ヘンリー)形です。Langmuir(ラングミュア)形は表面が埋まると頭打ちになる(飽和する)式で、直線ではありません。式の形と名前の対応を取り違えさせるのが狙いです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ファンデルワールス力などの弱い力による吸着を物理吸着と呼ぶのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸着は発熱過程なので、低温のほうが吸着に有利です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 比表面積が大きいほど平衡吸着量も多くなるのは正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | q=kc の直線形はHenry形等温式です。「Langmuir形」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 充塡層の破過曲線が一般にS字形になるのは正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
吸着等温式は、平衡での吸着量qと濃度cの関係を表します。吸着量が濃度に単純に比例するq=kcという直線の関係はHenry形と呼ばれます。これに対してLangmuir形は、吸着表面に決まった数の吸着点があると考える式で、濃度が上がるほど吸着点が埋まっていき、やがて頭打ち(飽和)になって直線にはならないのが特徴です。選択肢(4)は直線形のq=kcにLangmuirの名を当てているため誤りで、正しくはHenry形です。低濃度の領域ではLangmuir形も近似的に直線に見えますが、式そのものの名前はHenry形とLangmuir形で区別します。
覚え方
- 吸着等温式=直線 q=kc はHenry形・飽和するのがLangmuir形。
- 物理吸着はファンデルワールス力による弱い吸着。発熱過程なので低温有利。
- 比表面積が大きいほど吸着量は多い。破過曲線はS字形。
理解度チェック
吸着量が濃度に比例する q=kc の等温式の名前は?
Henry形等温式です。飽和して頭打ちになるのがLangmuir形です。
吸着は発熱過程。温度は高いほうと低いほうのどちらが有利?
低いほうが有利です。発熱過程なので低温ほど吸着が進みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月