令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問7を解説|スクラバーの捕集機構
令和6年度 ダイオキシン類特論 問7は、スクラバー(湿式集じん)の捕集機構に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
スクラバーでは、ダストが液滴や液膜に捕らえられる主な働きは、慣性力・拡散・重力の三つです。大きい粒子は質量があるので慣性力や重力で液滴に当たりやすく、小さい粒子はブラウン運動による拡散で液滴に触れます。引っかけの核心は拡散の効き方です。拡散は粒子が小さいほど強く、気流がゆっくりで液滴のそばに長く留まるほど有力になります。下線部は気流速度が大きいときに拡散が有力としており、向きが逆で誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ダストが主に慣性力・拡散・重力で液滴や液膜に捕集されるという記述は正しい内容です。 |
| (2) | ○(正しい) | 慣性力と重力が大きな粒子で有力になるという記述は正しい内容です。 |
| (3) | ○(正しい) | 慣性力は捕集体へ向かう接近速度が大きいほど有力という記述は正しい内容です。 |
| (4) | ○(正しい) | 重力は気流速度が小さいほど有力という記述は正しい内容です。 |
| (5) | ×(誤り) | 拡散は粒子径が小さく、気流速度が小さいときに有力です。「気流速度が大きいとき」とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
拡散による捕集は、微小な粒子がブラウン運動でふらふら動き、液滴の表面に偶然触れて捕らえられる働きです。粒子が液滴のそばに長く留まるほど触れる機会が増えるので、気流速度が小さい(ゆっくり流れる)ほど有力になります。気流が速いと液滴の近くをあっという間に通り過ぎてしまい、拡散で捕らえる時間が足りません。下線部は「気流速度が大きいとき」に有力としており、拡散の効き方を逆に述べている点が誤りです。慣性力とは逆の向きになる点に注意します。
覚え方
- 大きい粒子=慣性力・重力/小さい粒子=拡散(ブラウン運動)で捕集。
- 拡散は気流がゆっくりで滞留時間が長いほど有力。慣性力とは向きが逆。
- 慣性力は接近速度が大きいほど、拡散は気流速度が小さいほど効く。
理解度チェック
Q.
拡散による捕集は気流速度が大きいときと小さいときのどちらで有力?
小さいときです。液滴のそばに長く留まるほどブラウン運動で触れやすくなります。
Q.
大きな粒子を液滴に捕らえる主な機構は?
慣性力と重力です。質量が大きいので気流に乗り切れず液滴に当たります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月