令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問1を解説|固体燃料の燃焼形態
令和6年度 ダイオキシン類特論 問1は、廃棄物焼却を含む工業炉での固体燃料の燃焼形態に関する問題です。五つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
固体燃料が燃えるときは、加熱で放出された揮発分(可燃ガス)が気相で炎を上げて燃える段階と、揮発分が抜けたあとに残る固定炭素(残渣・チャー)が表面で燃える段階に分かれます。前者が分解燃焼、後者が表面燃焼です。引っかけの核心は、この二つを「どんな燃料で起きるか」で結び付けているところにあります。紙・木・プラスチックのような一般廃棄物の主成分は揮発分が非常に多いため、燃焼の主役は分解燃焼であって、揮発分の少ない燃料に起きる表面燃焼が主要な形態だとする記述は向きが逆で誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 燃焼を、燃料と酸素の急速な化学反応でエネルギーを熱や光として放出する現象とする定義は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 分解燃焼は、加熱で熱分解した揮発分が表面から離れた気相で火炎を作る形態です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | いぶり燃焼は、熱分解生成物が着火しないまま放出される現象を指す点で正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 蒸発燃焼は融点の低い固体燃料で観測され、ろうそくのパラフィンがその代表例という点で正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 表面燃焼は揮発分が少ない燃料で起きます。紙・木・プラスチックは揮発分が多く分解燃焼が主体であり、これらを表面燃焼とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
表面燃焼は、揮発分をほとんど含まない固定炭素が、炎を上げずに固体表面で直接酸素と反応して燃える形態です。木炭やコークスがその典型で、ここまでは選択肢の前半のとおりです。誤りは後半で、紙・木・プラスチックなど一般廃棄物の主成分を表面燃焼の代表例としている点です。これらは加熱されると多量の揮発分を放出するため、燃焼の主役は気相で炎を上げる分解燃焼になります。揮発分が抜けきったあとに残るチャーの燃焼として表面燃焼も現れますが、主要な形態を表面燃焼だと述べるのは向きが逆です。
覚え方
- 表面燃焼=揮発分の少ない固定炭素(木炭・コークス)が炎を上げず表面で燃える。
- 分解燃焼=揮発分の多い燃料(石炭・木・紙・プラスチック)が気相で炎を上げて燃える。
- 蒸発燃焼は「溶けて蒸発してから燃える」もの(ろう・硫黄)。固体燃料の揮発分は分解燃焼。
理解度チェック
紙・木・プラスチックの主要な燃焼形態は分解燃焼と表面燃焼のどちら?
分解燃焼です。揮発分が多いため気相で炎を上げて燃えるのが主体です。
表面燃焼が起きやすいのはどんな燃料?
木炭やコークスのように揮発分が少なく固定炭素が主体の燃料です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月