令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問6を解説|スクラバーの捕集機構
令和5年度 ダイオキシン類特論 問6は、スクラバーによるダストの捕集に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
スクラバーは、液体を捕集媒体にして、慣性力・重力・拡散などの働きでダストを液滴に捕まえる湿式の集じん装置です。分かれ目は、慣性力による捕集と流速の関係です。慣性捕集は、粒子が気流の曲がりに乗り切れず液滴にぶつかることで成立するため、流速が大きいほど効果が高まります。下線部が「流速が小さいほど捕集効果が高くなる」と大小を逆に述べている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | スクラバーが液体を捕集媒体とする点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 慣性力・重力・拡散などの機構でダストを捕集する点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 慣性力は大きな粒子に対して有力な捕集機構である点は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 大きな粒子に対する有力な捕集機構という位置づけは正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 慣性捕集は流速が大きいほど効果が高まります。流速が小さいほど高くなるとする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
慣性力による捕集は、気流が液滴を避けて曲がるとき、質量の大きな粒子が曲がりに乗り切れずにまっすぐ進んで液滴に衝突することで起こります。この「乗り切れなさ」は流れが速いほど大きくなるため、流速が大きいほど慣性捕集の効果は高くなります。下線部は「流速が小さいほど捕集効果が高くなる」と大小の関係を逆に述べているため誤りです。ただし流速を上げるほど圧力損失も増えるので、実機ではこの兼ね合いで運転条件を決めます。
覚え方
- 慣性捕集は流速が大きいほど効果が高い(大きな粒子ほど有効)。
- スクラバーは液体を捕集媒体にする湿式集じん。
- 流速を上げると圧力損失も増える、という代償を忘れない。
理解度チェック
Q.
慣性力による捕集は流速が大きいほど・小さいほど、どちらで効果が高い?
流速が大きいほど高くなります。曲がりに乗り切れない大きな粒子が液滴に衝突しやすくなります。
Q.
スクラバーの捕集媒体は何?
液体です。液滴などにダストを捕まえる湿式の集じん装置です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月