令和3年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問13を解説|凝集沈殿による排水処理
令和3年度 ダイオキシン類特論 問13は、凝集沈殿による排水処理に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
凝集沈殿は、そのままでは沈まないコロイド粒子を、電気的な反発を弱めて集合させ、沈みやすいフロックにする処理です。無機凝集剤は粒子表面の荷電中和で反発を消し、ポリマー(高分子凝集剤)はフロックを大きく育てます。引っかけの核心は、荷電中和には反対符号のイオン性ポリマーが要ること。陽電荷のコロイドには陰イオン性ポリマーが働き、同じ陽イオン性ポリマーを単独で使っても符号が同じで反発するため、荷電中和にはなりません。この点を取り違えた記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | おおむね0.001~1µmの微小な粒子が凝集処理の対象で、正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 無機凝集剤は粒子表面の荷電を中和して不安定化させ、集合させます。 |
| (3) | ○(正しい) | アルミン酸ナトリウムは硫酸アルミニウムとの併用で凝集効果が高まります。 |
| (4) | ×(誤り) | 陽電荷のコロイドに陽イオン性ポリマー単独では荷電中和できず、符号が逆です。 |
| (5) | ○(正しい) | 非イオン性ポリマーは低pH域の凝集処理に有効で、正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
選択肢(4)は、陽電荷のコロイドに陽イオン性ポリマーを単独使用して荷電中和とフロック化を同時に行う、とした点が誤りです。コロイドの荷電を打ち消すには反対符号のイオン性高分子が要ります。陽電荷(プラス)のコロイドに働くのは陰イオン性(マイナス)のポリマーで、同じ陽イオン性(プラス)のポリマーでは符号が同じため反発し、荷電中和が起こりません。したがって、陽電荷のコロイドに陽イオン性ポリマーを単独で使う組合せは、凝集の原理と符号が逆になっています。
覚え方
- 荷電中和は反対符号のポリマーで(陽電荷コロイド→陰イオン性)。
- 無機凝集剤=荷電中和、ポリマー=フロックを育てる(架橋)。
- 非イオン性ポリマーは低pH域で有効。対象は0.001~1µmの微粒子。
理解度チェック
Q.
陽電荷のコロイドの荷電中和に有効なのは、陽イオン性・陰イオン性のどちら?
陰イオン性ポリマーです。反対符号でないと荷電中和できません。
Q.
無機凝集剤の主な働きは?
粒子表面の荷電中和による不安定化です。反発を弱めて集合させます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月