令和4年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問6を解説|拡散モデルの分類
令和4年度 大規模大気特論 問6は、大気汚染の予測手法である拡散モデルに関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
拡散の微分方程式は、解き方によって「解析解モデル」と「数値解モデル」に大きく分かれます。解析解モデルは、拡散係数や風向・風速を一定と置いて数学的に解いた式を使うもので、正規形プルームモデルやパフモデルがその例です。数値解モデルは、空間を格子に区切って計算機で近似計算するもので、格子モデルが代表です。分かれ目は、どのモデルがどちらの分類に入るか。流跡線モデルを解析解モデルに含めてよいか、という一点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 拡散は微分方程式で表され、解法により解析解モデルと数値解モデルに分類できる。正しい。 |
| (2) | ○(正しい) | 解析解モデルは拡散係数や風向・風速が一定などの条件下で数学的に得られる解を使う。正しい。 |
| (3) | ×(誤り) | 流跡線モデルを解析解モデルの一種とする点が誤り。流跡線モデルは気塊の軌跡を追う別系統のモデル。 |
| (4) | ○(正しい) | 代表的な数値解モデルの格子モデルは計算量が非常に大きくなる。正しい。 |
| (5) | ○(正しい) | 格子モデルは格子間隔より小さいスケールの濃度変化を表現できない。正しい。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
選択肢(3)は、流跡線モデルを解析解モデルの一種としていますが、ここが誤りです。解析解モデルは、条件を置いて微分方程式を数学的に解いた式に数値を代入して濃度を求めるもの(正規形プルームモデルやパフモデル)。これに対し流跡線モデルは、気塊が移動していく軌跡(トラジェクトリー)を追って濃度を評価する別系統のモデルで、解析解モデルには分類されません。分類のグループを取り違えているのが誤りです。
覚え方
- 式で解く=解析解モデル(正規形プルーム・パフ)。
- 格子に区切り計算機で解く=数値解モデル(格子モデル)。
- 流跡線モデルは気塊の軌跡を追う系統で、解析解モデルに含めない。
理解度チェック
Q.
解析解モデルの例は?
正規形プルームモデルやパフモデルです。条件を置いて数学的に解いた式に数値を代入して濃度を求めます。
Q.
格子モデルの弱点は?
計算量が非常に大きく、格子間隔より小さいスケールの濃度変化を表現できないことです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月