令和4年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問7を解説|製油所の硫黄回収
令和4年度 大規模大気特論 問7は、製油所の大気汚染対策に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
水素化脱硫で副生する酸性ガス中の硫化水素は、化学吸収プロセスでアルカリ性溶液に吸収し、再生塔で吸収液から分離したうえで、クラウス法にかけて回収します。ここで押さえるのは、クラウス法が硫化水素から何を取り出す方法か、という点。クラウス法は硫化水素を反応させて単体の硫黄を得る方法で、硫酸を作る方法ではありません。分かれ目は、最終的な回収物を「硫黄」と読むか「硫酸」と読むかにあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 水素化脱硫では原料中の硫黄分が硫化水素として副生する。正しい。 |
| (2) | ○(正しい) | 硫化水素は化学吸収プロセスでアルカリ性溶液に吸収される。正しい。 |
| (3) | ○(正しい) | 吸収した硫化水素は再生塔で吸収液から分離される。正しい。 |
| (4) | ○(正しい) | 分離した硫化水素はクラウス法により回収する。方法の記述として正しい。 |
| (5) | ×(誤り) | クラウス法で回収されるのは単体の硫黄。「硫酸として回収される」とする点が誤り。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
クラウス法は、硫化水素の一部を燃やして生じた二酸化硫黄と残りの硫化水素を反応させ、単体の硫黄を取り出す方法です。回収した硫黄は資源として利用されます。したがって選択肢(5)の硫酸として回収されるという表現が誤りで、正しくは硫黄として回収されるとなります。硫化水素の処理から得られる最終生成物を「硫酸」と取り違えないことが要点です。
覚え方
- クラウス法=硫化水素から単体の硫黄を回収(硫酸ではない)。
- 製油所の流れ=水素化脱硫→副生H₂S→アルカリ吸収→再生塔で分離→クラウス法。
- 回収物を「硫酸」と書けば誤り。
理解度チェック
Q.
クラウス法で硫化水素から回収されるものは?
単体の硫黄です。硫酸ではありません。回収した硫黄は資源として利用されます。
Q.
製油所で副生した硫化水素はどう処理される?
化学吸収プロセスでアルカリ性溶液に吸収し、再生塔で分離したうえで、クラウス法で硫黄として回収します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月