令和元年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問4を解説|パスキル法と最大着地濃度
令和元年度 大規模大気特論 問4は、パスキルの方法による最大着地濃度を求める計算問題です。図の正規化濃度分布を読み、条件から最大着地濃度に最も近い値を選びます。
この問題のポイント
図は有効煙突高さ100mでの正規化着地濃度(Cu/Q)を、安定度A〜Fごとの曲線で示したものです。まず気象条件から安定度を決め、その曲線の山(最大値)を読み取ります。次に読んだ値に排出量Qを掛け、風速uで割れば最大着地濃度が求まります。最後の分かれ目は単位で、この計算で出る値は体積分率なので、ppmにするには100万倍する必要があります。この換算を忘れると桁がずれた選択肢に引っかかります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 計算で出る体積分率をそのまま答えにした値で、ppmへの100万倍換算を忘れた引っかけです。 |
| (2) | ×(誤り) | 桁が合いません。安定度や図の読み取りを取り違えると生じる値です。 |
| (3) | ○(正しい) | 安定度Dの最大値を読み、Q/uを掛けてppmに換算した約2ppmが最も近い値です。 |
| (4) | ×(誤り) | 2ppmに近い桁ですが、読み取りやu・Qの扱いを少し違えた値で、最も近い値ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 一桁大きく、安定度を不安定側にとるなどの読み違いで生じる値です。 |
ここが分かれ目
手順1:安定度を決める。 「本曇りの昼間」は日射も夜間の放射冷却も効きにくく、パスキル分類では中立の安定度Dにあたります。
手順2:図の山を読む。 有効煙突高さ100mでの安定度Dの曲線を追い、そのピーク(正規化着地濃度 Cu/Q の最大値)を読み取ります。おおよそ 8×10-6 m-2 程度です。
手順3:最大着地濃度に直す。 正規化の定義から、着地濃度は Cmax =(Cu/Q)× Q ÷ u で求まります。Q=1 m3/s、u=4 m/s を入れると、Cmax = 8×10-6 × 1 ÷ 4 = 2×10-6(体積分率)。
手順4:ppmに換算する。 体積分率をppmにするには100万倍するので、2×10-6 × 106 = 約2 ppm。よって最も近い値は選択肢(3)です。手順3で止めて 2×10-6 を選ぶと(1)の罠にかかります。
覚え方
- 最大着地濃度=(図の最大 Cu/Q)×Q÷u。
- 本曇り=日射も放射冷却も効かない=安定度D(中立)。
- 出た値は体積分率。ppmは×106を忘れない。
理解度チェック
図の正規化濃度から最大着地濃度を出す式は?
Cmax =(Cu/Q)× Q ÷ u です。図から読んだ最大の Cu/Q に排出量Qを掛け、風速uで割ります。得られる値は体積分率なので、ppmにするには100万倍します。
「本曇りの昼間」はどの安定度?
中立の安定度Dです。曇っていると日射で地表が強く暖まらず、夜間の放射冷却も抑えられるため、大気は中立に近づきます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月