令和7年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問7を解説|めっき排水の薬剤
令和7年度 大規模水質特論 問7は、めっき排水(六価クロム含有)の処理フローで添加する薬剤A・B・Cの組合せを選ぶ問題です。最も適当な組合せを選びます。
この問題のポイント
六価クロムを含むめっき排水の処理は「還元→中和沈殿」の順で進みます。まず酸を加えて液を酸性にし(A)、そこへ還元剤を加えて有害な六価クロムを無害化しやすい三価クロムに変え(B、名称を伏せたX槽は還元槽)、最後にアルカリを加えてpHを上げ、水酸化物として沈めます(C)。分かれ目は、Aが酸か・Bが還元剤か酸化剤か・Cがアルカリかの3点です。還元は酸性側で進むので、Aは硫酸、Bは亜硫酸水素ナトリウム(還元剤)、Cは消石灰(アルカリ)という並びだけが筋が通ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各薬剤の役割
| 記号 | 薬剤 | 役割 |
|---|---|---|
| A | 硫酸 | 液を酸性に調整する。六価クロムの還元は酸性側で進むため、還元の前に加えます。 |
| B | 亜硫酸水素ナトリウム | 還元剤。X槽(還元槽)で六価クロムを三価クロムに還元します。 |
| C | 消石灰 | アルカリ。pHを上げ、三価クロムを水酸化物として沈殿させます。 |
ここが分かれ目
取り違えやすいのはBに次亜塩素酸ナトリウムを選ぶ誤りです。次亜塩素酸ナトリウムは酸化剤で、シアン排水の分解には使いますが、六価クロムを無害化する還元には使えません。ここでは還元剤の亜硫酸水素ナトリウムが正解です。Aについても、六価クロムの還元は酸性で進むため酸(硫酸)が必要で、水酸化ナトリウムのようなアルカリを先に入れると還元が進みません。Cは沈殿のためにpHを上げるアルカリ(消石灰)であって硫酸ではありません。この3点がすべて成立するのは選択肢(1)だけです。
覚え方
- 六価クロム処理は酸性で還元→アルカリで沈殿。硫酸→亜硫酸水素Na→消石灰。
- 還元剤=亜硫酸水素ナトリウム。次亜塩素酸ナトリウムは酸化剤(シアン用)で混同しない。
理解度チェック
六価クロムの還元はどんなpH条件で進む?
酸性条件です。硫酸で酸性にしてから還元剤を加え、六価クロムを三価クロムに変えます。
次亜塩素酸ナトリウムは六価クロムの処理に使える?
使えません。次亜塩素酸ナトリウムは酸化剤(シアン分解用)です。六価クロムには還元剤の亜硫酸水素ナトリウムを使います。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月