令和7年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問4を解説|植物プランクトンの増殖
令和7年度 大規模水質特論 問4は、生態系モデルにおける植物プランクトンの増殖に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
生態系モデルでは、植物プランクトンの増殖速度を炭素生物量の時間変化として表し、光・栄養塩の効きを別々の式で組み込みます。引っかけの核心は「どの現象にどの式を使うか」です。光の水中での減衰にはランバート-ベールの式を使いますが、栄養塩の摂取にはミカエリス-メンテン型の式やリービッヒの最小律を使います。選択肢(3)は、栄養塩の摂取にランバート-ベールの式を使うと書いて、この役割を入れ替えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 増殖速度は単位時間あたりに生産される炭素生物量で、単位は mgC m-3 day-1 です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 増殖項は dAp/dt=GAp と書け、Gは時間の逆数の次元をもつ比増殖速度(day-1)です。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | ランバート-ベールの式は光の減衰に用います。栄養塩の摂取に使うとする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 光合成-光応答の式では、強い光による強光阻害の影響が考慮されています。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 栄養塩の摂取では、最も制限の強い栄養塩を選ぶリービッヒの最小律が使われます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ランバート-ベールの式は、光が水中を進むほど指数関数的に弱まる光の減衰を表す式で、水中の光環境(水深ごとの光の強さ)を計算するために使います。一方、植物プランクトンが栄養塩を取り込む速さは、栄養塩濃度が低いと不足で頭打ちになる関係で、ミカエリス-メンテン型の飽和式や、最も不足している栄養塩でその場の増殖が決まるというリービッヒの最小律で表します。選択肢(3)は栄養塩の摂取にランバート-ベールの式を当てはめている点が誤りで、光と栄養塩の式の役割を取り違えさせる作りです。
覚え方
- ランバート-ベール=光の減衰。栄養塩の摂取=ミカエリス-メンテン/リービッヒの最小律。
- 増殖速度は炭素生物量の時間変化、単位 mgC m-3 day-1。比増殖速度Gは day-1。
理解度チェック
Q.
ランバート-ベールの式は何を表す?
光の減衰です。光が水中を進むほど弱まる関係を表し、栄養塩の摂取には使いません。
Q.
栄養塩の摂取はどんな考え方で計算する?
ミカエリス-メンテン型の飽和式や、リービッヒの最小律です。最も不足した栄養塩がその場の増殖を決めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月